建具を使ってフレキシブルに仕切る
すべての画像を見る(全11枚)この事例は、リビングとテラスを「完全〜ゆるやか」にフレキシブルに仕切ることのできるケースです。正面に見える簾戸(すど)の奥がテラスで、壁と屋根で囲まれた半屋外空間(外)です。
テラスとリビングの間には、ガラス戸、簾戸、障子を設けました。戸はすべて壁に収納できる仕掛け。そのため季節や天候、気分に合わせて、自由な組み合わせを楽しむことができます。もちろんすべてを開け放つことも可能です。
リビングとテラスの床材は、あえて似た雰囲気のものに。リビングがテラスまでのびていくように見えて、広がりを感じることができます。
気候のよい時期には、テラスでのんびり過ごし、リラックスする場所にも。内と外が引き戸で仕切られ、あいまいにつながることで暮らしに彩りが生まれます。
建具の開け閉めで仕切ったりつなげたり
可動する建具(このケースでは折り戸)でゆるやかに仕切る事例をもうひとつ。ダイニングとリビングに隣り合う、サンルームと筆者が名づけたスペース(写真右側の建具の奥)について説明します。
名前はサンルームですが、多目的に使える場所としてつくりました。子どもの遊び場やプレイルームに、また、外の景色を見ながら食事をする場所としても使えます。
リビングとサンルームは、メッシュ素材の生地を貼った建具で仕切ります。建具を閉めていると別々の場所になりますが、建具に貼った生地が透けているので、完全に閉じられるわけではありません。建具の生地を通して、隣り合う空間を感じることができます。
ゆるやかに仕切られているので閉塞感はありません。建具をあけておけば、隣り合う場所をつなげることもできます。そのときの気分に合わせて調整可能ですから、いつでも心地よく暮らすことができます。
今回紹介した事例のように、場と場を「小さく」「完全に」仕切るのではなく、ゆるやかにすると、のびやかさが生まれます。気持ちよい暮らしのポイントは人それぞれ。自分らしい暮らしに合わせた仕切り方とつながり方を見つけてみましょう。