妊娠を機に、フルリノベーションありきで中古マンションを購入した30代夫婦のお宅です。物件探しの条件は、家族3人がゆったり暮らせる70㎡以上の広さと見晴らし。リノベーションの際に、LDK横の個室を撤去、コンクリート現しの広いリビングのある1LDKに間取りを変更しています。浴室と洗面室の配置を入れ替え、キッチンの隣にパントリーを新設して回遊動線を確保しました。インテリアも楽しめる、フレキシブルな間取りです。
すべての画像を見る(全20枚)インテリアや料理が引き立ち、子育てもしやすいキッチンに
●この家のプロフィール
- ・Jさんの家 神奈川県
・家族構成:夫39歳 妻38歳 長男1歳
・専有面積:71.01㎡
・築年数:37年(1985年築)
・工事費:1400万円(税・設計料込み)
・設計・施工:リノベ不動産
自分たちらしさを求めてフルリノベーションしたJさん夫妻。とくにキッチンはゲストをもてなす場となるように、対面キッチンの側板(腰壁)に飾り棚を配すなど、個性を大切に造作したそう。
「キッチンの側板(腰壁)や床のなめらかな質感に対し、ザラついた質感の足場板を飾り棚に用いてコントラストをつけ、棚そのものや雑貨が際立つようにしました」と夫。
さらに、キッチン本体やレンジフードを白にすることで存在感を抑え、料理やディスプレイに視線が集まるように配慮したそう。使い勝手について妻は、「子どもを見ながら家事ができて安心です。パントリーを抜けて廊下へ出られる動線も来客時に大活躍しています」と、話してくれました。
コンクリート現しの壁でアクセントをつけた広いLDKは、大きな窓が2方向にあり、通風・採光ともに申し分のない快適さです。
キッチンの収納は「探しやすく、出し入れもラク」と妻に好評の、見せてしまうスタイルを採用。「ブリキ缶などを使って棚にしまえばインテリアにもなるし、収納方法をアレンジする楽しみも増えます」と夫。
子どもが小さいうちは、キッチン回りの飾り棚も遊び場に。
ダイニングのペンダントライトは、デザインが気に入って購入したノルウェー製。ダイニングに限らず照明は、消灯時も絵になるデザインにこだわって選んでいるそう。
暮らしに合わせられる柔軟さと美しさを融合した収納
インテリアデザイナーの夫が基本プランを考えたJさんの住まい。収納で重視したのは、暮らしに合わせて使い方を変えられる柔軟さと、インテリアとしての美しさとの融合です。
なかでも特徴的なのが、ダイニングの壁につくりつけた多目的収納。「木の壁のような印象になるように、フレームレスなデザインにしました。これほどきれいに仕上がったのは、デザイナーの高橋大さんと施工担当者がミリ単位で調整してくれたおかげです」と、夫の喜びはひとしお。
また、ゲストを招く玄関やキッチンでは見せる収納を中心に配置。収納の一画にインテリアコーナーを設けることで、眺めの美しさにも気を配っています。
梁まで隙間なく収めたダイニングの多目的収納は、扉の合わせが織りなす繊細なラインがみごと。現在は下段を夫妻のクローゼットとして活用し、上部にはシーズオフの服やキャンプ用品などを入れていいます。「収納するものは、暮らしの変化に合わせて変えていくつもりです」と夫妻。
玄関近くの廊下には扉つき収納を造作。「靴のほかに生活用品のストックや掃除機などを入ています。納戸のように使えて便利です」(妻)
自転車やバギーが置けるように、玄関土間はスペースを広めに。可動式のオープン棚を壁に取りつけ、オープンな靴収納にしました。上段は旅先の思い出の品などを飾るインテリコーナーとして活用しています。
物干し用のピンチハンガーなどは、バルコニーの近くに置いた茶箱に入れて。フタをするだけでインテリアに早変わり。