家づくりで悩ましいのが、オプションをどうするか。ワンランク上の高性能の建材設備に変更すると、快適性は上がるものの金額もアップ。判断に迷う人も多いでしょう。3年前に大手ハウスメーカーで家を建てた日刊住まいライターは、オプションで窓をトリプルガラスに変更。これが大正解でした。その理由を語ります。

トリプルガラスの窓
トリプルガラスの窓にすると、住宅の断熱性能もアップ!
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冬でも暖かく1年じゅう過ごしやすい家を建てたい

筆者は3年前に家を建てました。家づくりを検討し始めた当時住んでいた中古住宅の窓は、アルミサッシの単層ガラス。築20年以上の家。新築当時はそれが普通だったのでしょう。

筆者の住んでいる長野県では、冬はマイナス10℃以下になることもしばしば。住んでいた古い家では、寒さの底となる1月下旬になると、室内でも気温がマイナスになることも。そんな環境のなかで、幼い子ども2人とネコ2匹と生活していました。

ハウスメーカーの住宅展示場を訪れたとき、初めてトリプルガラスの窓を知りました。モデルハウスにサンプルがあり、「これはなんですか?」と営業マンに食いついたのです。

ペアガラスは知っていましたが、トリプルガラスの窓の存在は、筆者には衝撃でした。そしてこの窓ならきっと暖かい家がつくれる、という思いが生まれました。

 

27万円の増額で窓をペアからトリプルガラスに!

見積書

新築を建てるなら、窓はトリプルガラスの窓に。そう思いながら家づくりをスタート。

しかし、窓の標準仕様はペアガラスです。オプションだと費用が大幅にアップするのではと不安でしたが、打ち合わせで通常の金額よりも安く、トリプルガラスの窓に変更できることがわかりました。

実際にかかった費用はプラス27万円ほど。通常だとペアガラスの倍ほどの値段になるそう。差額が100万近くなることもあるそうですが、27万円でトリプルガラス窓の家が手に入ったのはとても幸運でした。

 

夏の日差しを和らげ、室内温度の上昇を軽減!

日差しも抑えてくれる
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トリプルガラス窓は断熱性能が高いため、外気温を室内に伝わりにくくしてくれます。長野県は涼しいと思われがちですが、標高が高いため日差しは強く、筆者の地域では35℃を超える日もかなりあります。

そのような酷暑日でも、室内はエアコンなしにもかかわらず28℃以上になりません。筆者宅は南側にさえぎるものがなにもないため、カーテンを併用しながら遮熱しています。

トリプルガラスには「日射取得タイプ」(窓を通じて太陽光を室内に取り入れることで、太陽光の力で部屋の中を温める)と「遮熱タイプ」(断熱はもちろん、明るさを取り込みながらもガラスに当たる日射熱を遮り、室内を涼しく保つ)があるそうです。

筆者宅は寒冷地のため、「日射取得タイプ」のガラスにしました。それでもこれだけの遮熱効果があるで、「遮熱タイプ」を採用すればさらに高い効果が期待できるでしょう。

 

冬の寒さをしっかり防いでくれる

冬の寒さをしっかり防いでくれる

今の家に住み始めて冬を3回経験しました。暖房を止めると急激に気温が下がっていた以前の家とは比べものにならないほど温度変化がありません。

外気温がマイナス10℃でも、リビングの室温は無暖房でも10℃以下になったことがないです。

以前の家では、朝の室内の気温が0℃くらいまで下がりました。家の中での寒暖差も激しかったのですが、新居ではどの部屋も10℃を下回ることはないです。

また、窓からほとんど冷気を感じません。寒い日に窓の前に温度計を置いて測ったことがありました。外気マイナス10℃近くのときでも4℃ほどでした。以前の家の窓付近には、冷気が気流となって床に降りてくるのがわかるほどでしたので、劇的な差です。

もちろん断熱材や気密などの影響もあるので、すべてが窓による効果ではありませんが、寒い季節でもトリプルガラス窓のある空間に住んでいるという安心感はとても大きいです。