「年金生活」という言葉に漠然とした不安を抱く人も多いのではないでしょうか。ここでは月5万円の年金で豊かに暮らす、70代のひとり暮らしブロガー・紫苑さんを取材。やりくりと生活の工夫を聞きました。
月5万円の年金で豊かに暮らすやりくりと生活の工夫
すべての画像を見る(全14枚)30代で離婚し、子ども2人を女手ひとつで育てた紫苑さん。「目の前の仕事をこなし、子もを育てるのに必死。生活に困らない程度の収入があったので、お金のことは無頓着でしたね」と語ります。
60代に入り、仕事が減って貯金をどんどんと崩すことになっても「不安になるだけだから、お金のことは考えないように」と先々のお金のことは見て見ぬふり。一戸建ての購入で貯金をほぼ使い果たし、国民年金だけでやりくりすることになり、いよいよ現実を直視。
試行錯誤を繰り返した結果、今では月5万円の収入でやりくりできています。
【紫苑さんの1か月の支出リスト】
- <収入>
- 国民年金 49,456円
- <支出>
- 食費(米代を含む) 9,118円
- 水道光熱費 7,746円
- 通信費 7,560円
- 日用品費 1,000円
- 書籍代 1,250円
- 交通費 2,000円
- そのほか 8,000円
- 合計 36,674円
- 貯蓄 12,782円
- 収支 0円
- ※「これからの暮らし」vol.2(2022年5月発売)取材時点の情報です
まずは紫苑さんがお金と真剣に向き合うまでのヒストリーを詳しく伺いました。
<50歳の頃>
仕事に恵まれてタワマン暮らし。稼いでは使う日々
フリーランスのライターとしてバリバリ働き、家賃月23万円の都内のタワーマンション暮らし。収入は多いが、出ていくお金も多い生活。
<55歳の頃>
“着道楽”で着物にお金をつぎ込む
51歳で乳がんに。無事に回復後、「オシャレは元気なうちに」と着物に目覚める。着物、帯、小物を次々に購入し、お金と向き合う気は一切なし。
<60歳の頃>
仕事と収入が減り、タワマンから公団住宅へ
会社員なら定年を迎える年齢。仕事が減り始めて、この先の収入に不安を感じるように。タワマンから家賃の安い公団住宅に引っ越す。
<65歳の頃>
年金受給スタート。築45年の中古一戸建てを買って住居費0円に
収入が減っていくなか、家賃を払い続けることが負担に。貯金をはたいて中古一戸建てを購入。家賃負担はなくなったが、貯金もほとんどなくなる。
<67歳の頃>
人生で初めて真剣にお金と向き合う
コロナ禍で外出機会が減ったのを機に、支出を減らせないか、考えるように。年金で生活する工夫を考え始める。