夏に気をつけたいのが、子どもから大人までかかることもある「熱中症」。そんな熱中症から身を守るために知っておきたい、対策の方法を帝京大学医学部教授の三宅康史先生に取材しました。

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改めて知っておきたい熱中症・夏バテ対策。気温以外にも気をつけること

熱中症はなぜ起きる?正しく学んで対策を

夏の女性
知っておきたい熱中症対策
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「熱中症とは、高温多湿の環境に対して、体温がうまく調節できずに発症するさまざまな症状のことです」と話す三宅先生。熱中症にかかりやすいのは、体温調節機能が低下している高齢者や、体温調節機能が未発達の乳幼児ですが、近年の異常な暑さではだれでも発症するリスクが高いと言います。

水分補給イラスト
しっかり水分補給

「とくに梅雨の晴れ間や梅雨明けなど、カラダがまだ暑さに慣れていないときに突然気温が上昇するときが危険。普段から暑さに慣らすためのカラダづくりをすることが重要です。今は、体内に熱がこもりやすいマスク着用が続いているので、とくに注意しましょう」とアドバイス。

熱中症を防ぐための基本は、「『私は大丈夫』と過信せず、自分自身の身を守るとともに、家族や周囲に具合が悪そうな人がいたら、すぐに声かけするなど、みんなが協力して防ぐことです」。

大切な命を守るために、知っておきたい対策と対処法をしっかり学びましょう。

熱中症の対策方法7つ。生活習慣がカギ

熱中症のリスクを軽減するためには、規則正しい生活習慣が基本。知っておくと役立つ対策法をまとめて紹介します!

●1.熱中症にかかりやすい体調・行動・環境を知っておくべし

炎天下で遊ぶ子ども

「熱中症を引き起こす原因は気温や湿度が高い、日差しが強いといった気象条件だけでなく、下痢や二日酔いなどの体調不良も。また、カラダが暑さに慣れていないときの運動や長時間の屋外作業などの行動、閉めきった室内で過ごすなど、環境も影響します」

そのなかでも、とくに体調不良は熱中症の原因になりやすいため、注意が必要!

●2.“気温と湿度”を知ることが熱中症を避ける最善手!

自分がいる場所の気温や湿度を定期的に確認することも熱中症対策の基本。

「とくに室内では日差しを遮ったり、エアコンや扇風機などで室温を下げる工夫を。また、湿度が高いと汗が乾きにくく、汗による体温調節機能が低下してしまいます。室温は28℃以下、湿度は50~60%に調整を」

●3.シャワーだけですまさず、できるだけ湯船につかるべし

「夏の間はカラダが次第に暑さに慣れていきますが、それでも急に気温が上がると対応できず、熱中症にかかりやすくなります。そのため、日常生活のなかで入浴や運動でカラダを温め、汗をかく習慣を取入れましょう」

シャワーで簡単にすませず、週に2、3回は湯船につかる習慣を。

●4.エアコンの設定温度ではなく、室温を意識!

「部屋の温度は28℃以下が適温ですが、エアコンの設定温度が28℃でも、じつは室温が30℃を超えているケースは少なくありません。まず、エアコンの設定温度と実際の室温は違うということを知っておきましょう」

家の中に温度計を数か所設置し、毎日チェックを!