解答・解説
答えられましたか? ここからは問題の解答・解説をしましょう。
すべての画像を見る(全2枚)【問題1 解答】
アインシュタインの相対性理論の内容とは、どんなもの?
(1) 光と同じ速さで動ければ、時間をさかのぼることができる
(2) 重い天体の周りでは、空間がゆがんだり、時間の流れがゆっくりになったりする
(3) 宇宙空間では、時間の流れ方が地球より早くなる
答えは「(2) 重い天体の周りでは、空間がゆがんだり、時間の流れがゆっくりになったりする」です。
【問題1 解説】
アインシュタインは、相対性理論の中で、「重い天体の周囲では、その重力によって空間がゆがみ、時間の流れもゆっくりになるのだ」と説きました。「え、何それ?」と思うかもしれませんが、地球上でも高さが違うと重力の強さが異なるため時間の流れ方に差がでます。たとえば、地上と高層ビルの屋上では、重力の強さがちがうので時間の進み方が違うのです。実際、スカイツリーの展望台では、地上よりも地球から受ける重力が弱くなるので、1日あたり4ナノ秒(!)だけ時間が早く進んでいます。
【問題2 解答】
アインシュタインは、宇宙のはじまりについてどう考えていたでしょうか?
(1) 宇宙は静止していて、未来永劫変わらない
(2) 宇宙はどんどん広がっている
(3) 宇宙はどんどん縮まっている
答えは「(1) 宇宙は静止していて、未来永劫変わらない」です。
【問題2 解説】
現代の私たちは、宇宙がどんどん膨張しているということを知っています。しかし、アインシュタインが相対性理論を発表した当時は、まだ宇宙の大きさが時間とともに変わるとは誰も考えていませんでした。アインシュタイン自身も、「宇宙には終わりもはじまりもなく、ずっと静止していて、未来永劫変わらないもの」だと考えていました。
あるとき、アインシュタインが自身の相対性理論を使って宇宙のふるまいを計算してみると「宇宙はどんどんふくらんでいく」という答えが出てしまいます。この答えはアインシュタインには受け入れられないものだったので、「そんなおかしなこと、あるわけない!」と、せっかく出した計算式を無理やり手直しして、「宇宙は常に静止している」と無理やりに結論づけてしまいました。
【問題3 解答】
アインシュタインが「こんなものが宇宙に存在するわけない!」と指摘したものの、後日、その存在が証明されたものとは?
(1) ダークエネルギー
(2) ブラックホール
(3) ダークマター
答えは「(2) ブラックホール」です。
【問題3 解説】
光やガスなど、どんなものでも吸い込んでしまう暗黒の天体「ブラックホール」。この不思議すぎる天体は、はるか昔から存在自体は一応予想されていましたが、それを信じる人は皆無でした。ある研究者がアインシュタインの相対性理論を用いて、「光も吸い込む真っ暗な天体が理論上存在してもおかしくない」と指摘しても、アインシュタインは「そんな星あるわけない!」と否定し続けました。現在ではブラックホールが存在することは理論上でも証明されている上、2019年には世界で初めてブラックホールの撮影にも成功しました。
本間希樹先生による、天文学者に関するおもしろい話を集めた書籍『国立天文台教授がおどろいた ヤバイ科学者図鑑』(扶桑社刊)は、39人の天文学者のスゴイ話が満載! ぜひチェックしてみてくださいね。