今また出会えたら「先生ごめん、私のアスペルガー気質のせいかもしれないです」と話せると思うのですが、その頃の私は幼かったので、自分のことすらわかりません。自分を今みたいに客観視して分析できません。私の何がいけなかったのか、なぜ嫌われるのか、なぜ頑なに私だけ目を合わせてもらえないのか、まったくわからず1人で泣いていました。私にも感情は多少、あったのです。
本当は甘えたいのに無表情だったので「君はいつも余裕だから1人でできるよね」というレッテルを貼られて「保護者」というあだ名をつけられたこともありました。
みんなのように「さやかちゃん」と下の名前で呼ばれたかったのですが、「西出さん」と呼ばれることしかなく、しっかりしてるから大丈夫と思いこまれていました。そんなわけで私は大人に甘えた経験が一度もありません。
●つらい幼少期を過ごしてきた私たちが今思うこと
光くんは学生時代の経験から、人に優しくしたいと思うようになりました。
夫婦間でも光くんは、私が単刀直入に言葉を発しても、怒りません。いつも優しい対応をしてくれますが、無理をしているわけでも、ストレスをためているわけでもないようなので、長年の経験が今の優しい光くんをつくったのかもしれません。
また、私自身は、人を外見や表情だけで判断するのはやめたいと思うようになりました。現在、私たちはYoutubeでも配信していますが、そこでも相談に乗ることが多いです。うまくできているかわかりませんが、できるだけみなさんとともに、ラクに、楽しく生きていく方法と探していけたらいいなと思っています。