急に暑くなり体がだるい、長引く倦怠感など、夏に向けて不調に悩まされる季節。自律神経の不調も、夏バテを引き起こす原因のひとつといわれています。では、どうすれば自律神経を整えることができるのでしょうか? 医師の小林弘幸先生に、自律神経が整うおすすめの生活習慣を聞いてみました。
自律神経の乱れを整えて疲れない体をつくる方法
すべての画像を見る(全3枚)「自律神経には心身を活動モードにする交感神経とリラックスモードにする副交感神経があり、両方がバランスよく働くのが理想的。ストレスが多い現代人は交感神経と副交感神経のバランスが乱れがちなので注意が必要です」と話すのは、自律神経の名医と呼ばれる小林弘幸先生。
「とくに夏は室内外の温度差が原因で体温調整機能をつかさどる自律神経が乱れやすくなります。ほかにも、暑いと熱を外に逃がす役割をもつ副交感神経が過剰に優位になり、だるさや夏バテの症状を招くことも。自律神経の乱れは、毎日の習慣を少し変えるだけで改善できますよ」。
たとえば、毎晩10分読書するだけでも、心と体のコンディションが安定し、自律神経を整えるのにも効果的だそう。ここでは、夏の時季にとくに取り入れたい習慣を紹介します。
●1:朝は1杯の水で体をリセット。1日2Lの水分補給を
睡眠中は汗をかくので朝は脱水状態で血流も停滞。
「これを改善するため、朝起きたらコップ1杯の水を飲みましょう。腸が刺激されて副交感神経が高まり、その後、交感神経にきり替わりやすくなります。夏はとくに汗をかくので1日2Lの水をこまめに分けて補給を」
●2:夏も朝食を抜かずに腸を整える食材をとる
腸には血液をつくる働きがあり、腸内環境が安定すると血流がよくなって自律神経も安定します。
「食物繊維や発酵食品で腸を整えることは常に重要。乳酸菌がとれるヨーグルトに、食物繊維が豊富な大根おろしと整腸効果のあるはちみつをかけると効率よく摂取できます」
●3:日やけは自律神経を乱すので対策は万全に
夏は1年でもとくに紫外線が強くなりますが、日やけをすると炎症と脱水が起き、交感神経が過剰に優位になる原因に。
「外出するときは、日やけ止めや日傘、帽子、サングラスなどを利用して紫外線対策を万全に。日焼けをしたら水分を多くとって脱水予防を」