●うららと雪さんに、ずっとあの縁側で歌っていてほしいと思えた

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映画の最後には、おふたりが「うららと雪」として、主題歌の「これさえあれば」をデュエット。ふたりの温かな友情が伝わってくるエンディングとなっています。

宮本:難しかったわよねえ、あの歌。愛菜さんはどうだった?

芦田:難しかったです。それに私、すごく緊張していて。レコーディングスタジオにすごく大勢の人がいたので…。

宮本:私だって緊張していましたよ(笑)。メイキングも入ってましたでしょう?

芦田:そうなんです。でも歌っているうちに楽しくなってきて、うららの気持ちになって歌えました。歌詞もとても素敵で、ずっとうららと雪さんに、あの縁側で歌っていてほしいな…と思えて。

 

●ひとつでも夢中になれることがあれば、世界は開けていく

映画『メタモルフォーゼの縁側』より
映画『メタモルフォーゼの縁側』より

うららと雪さんにとって、マンガを読む時間は、家事や勉強の息抜きとなる大切な時間でした。おふたりが「忙しくてもこれだけは確保したい」と思っているのはどんな時間でしょうか。

芦田:私はご飯を食べる時間ですね。今回の撮影ではお弁当がとてもおいしくて、つい食べすぎちゃってました(笑)。私は焼き鳥の皮が好きなんですけど、それを知ったスタッフの方が、皮が入ったお弁当をわざわざ用意してくださって。そういう心遣いがうれしかったです。

宮本:私は子育て中、仕事をセーブして毎日ふたりの子どもと湯河原で暮らしていたんですね。自分の時間がないなかでいちばん大事にしていたのは、30年くらい続けていた小唄の時間です。そのときだけは「今は母ちゃんの大事な時間だから、じゃましないでね」と子どもたちに伝えて。たった15分、20分でも、三味線をもって歌うことが私にとってはすごく大事だったんだな、と今振り返って思いますね。

芦田:私がうららと雪の関係を通じて、しみじみ思ったのは、「なにかを好き」という気持ちも、だれかと友達になるのも、年齢は関係ないんだな、ということ。それに、この映画を観ると、「自分にも、雪さんのように背中を押してくれる存在が現れるんじゃないか」「つらいことがあっても、きっと楽しい日々が待ってるんじゃないか」と思える。そんなふうに前向きになれて、ほのぼのできる映画だと思います。

宮本:夢中になれることがひとつでもあれば、それを通じて少しだけ世界が開けていく。大きなうねりがあるわけではない、本当に地味な物語ですけど(笑)、そのちょっとした広がりが、とてもすてきだと私は思っているので。ぜひこの映画を見ていただけたら、嬉しいなと思います。

 

【作品情報】

『メタモルフォーゼの縁側』2022年6月17日(金)全国ロードショー

原作:鶴谷香央理「メタモルフォーゼの縁側」(KADOKAWA)

脚本:岡田惠和 監督:狩山俊輔
出演:芦田愛菜 宮本信子
高橋恭平(なにわ男子) 古川琴音 生田智子 光石研 ほか

公式HP:https://metamor-movie.jp/
公式twitter:@metamor_movie

 

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