「犬」と家族の日々をつづる「inubot回覧板」を連載中の写真家・北田瑞絵さん。北田さんにとってinubotで紹介している犬は、暮らしの中に光を灯してくれるような存在で日々たくさんの歓びを与えてくれますが、同時に犬にまつわる悩みや心配事も生じます。この「まほろば写真館」では、動物とともに生きている方からお話を聞いて、動物との日常の中で大切にしている想いを教えていただきます。
シロイルカとともに過ごす。飼育員・加登岡さんの日常
すべての画像を見る(全19枚)第2回目は、横浜・八景島シーパラダイスの飼育員・加登岡愛実さんにお話を伺いました。
加登岡さんは飼育員歴10年目。横浜・八景島シーパラダイスでシロイルカをはじめとした海の生きものとふれあうことができる、“ふれあいラグーン”の担当になって7年目で、現在鯨類チームを引っ張るリーダーです。
●賢く、人懐っこいシロイルカ
このとき私はシロイルカのパララとプルルのプール前で加登岡さんの到着を待っていた。
私たちの目の前でそれぞれ自由に過ごしていたパララとプルルだが、驚くことに、加登岡さんがやってきたらすぐさま水槽の淵まで泳いでやってきたのだ。
あまりの衝撃な出来事に、「加登岡さんが来た途端、そばに寄ってくるんですね」と私が言うと、加登岡さんは「ごはんを持ってるからですよ」と笑って謙遜した。しかし、それだけではないような雰囲気を感じた。
シロイルカはボール遊びもでき、ボールを口にくわえてそのまま前に向かって投げられるのだ! これはシロイルカの首がやわらかく可動域が広いからできるのだとか。
「ここで動物の生態を伝えたいというのもあって、プログラムやショーではなるべく、その動物の特性を生かし、野生下の行動を汲んで考えています。お客さまに“あぁおもしろかった!”と思ってもらいながら、それだけでなく“こういう生態だからこういうことができるんだ”と知ってもらいたい。だから説明を交えながらパフォーマンスをしています」
パララが投げたボールはキレイな弧を描いて、加登岡さんのもとに返ってきた。
またこんな行動も取っていた。
自らくわえたボールを真上に投げてキャッチをする、そしたらまた真上に投げるというのを繰り返していた。ずっとひとりでキャッチボールをしている。これは、誰が教えたのではなく、なんと自発的に始めたそうだ。
犬と暮らしていても「え、そんな遊び方知ってたの!?」とか「クッションの使い方知っていたの!?」と驚かされることがある。まさかシロイルカと犬に共通するものがあるなんて知らなかった!