●卵巣がんを早期発見・治療するには

イメージ
すべての画像を見る(全7枚)

卵巣がんは死亡を減らすことが科学的に証明された検診方法がないことから進行した状態で見つかる患者が40%以上いると言われています※。初期の段階で診断されて治療を受けることができれば、寛解や治癒の可能性は高くなります。そのためにも先に紹介した「特徴的な症状」があるときは、躊躇せずに婦人科を受診していただきたいと思います。

卵巣がん・卵管癌・腹膜癌治療ガイドライン2020

●日本でも世界でも卵巣がんは増えています

最新の推計では、世界中で2040年までに卵巣がんと診断される女性の数は増加し、亡くなる人は2020年の1.5倍以上の31万3617人に増えると予測されています。
※Globocanの2020年の予測

中低所得国でとくに死亡率が高いのですが、これは国の財源に限りがある、がんに対する適切な情報(専門医・専門病院・専門的な治療)が届きにくいことにより、卵巣がんになっても最良の治療を受けられないことが原因と考えられています。

グラフ
部位別死亡数(全国)・罹患数(全国推計値)年次推移

日本では2004年に「卵巣がん治療ガイドライン」が発売、定期的に改訂され、これをもとに全国で標準治療(最良の治療)が行われています。罹患者は増えているものの死亡率は横ばいに近い状態です※。

今も新しい治療薬や治療法が、年々増えています。卵巣がんはⅢ期、Ⅳ期と進行した状態で見つかる方が40%以上で厳しい闘病になりますが、「闘う武器」も多くなっているのです。

がん情報サービス

●卵巣がんフォーラム in Japan(2022)をオンライン開催

「卵巣がん体験者の会スマイリー」では、5月8日に「卵巣がんフォーラム in Japan(2022)」として、卵巣がんの知識や治療の最前線について専門家を招いて勉強会をオンライン開催します。卵巣がんの患者や関係者だけでなく、どなたでもご参加いただけます。

また、「卵巣がんと私の物語(Patient Journey)」を募集し、掲載しています。昨年、TwitterでスマイリーのWebサイトに追加してほしい内容を募ったところ、「患者さん・ご家族の体験談」がトップになりました。患者さんやご家族の貴重な経験は、多くの人にとって励みや学びになると思います。

●大切なのは症状を知って、ためらわずに婦人科を受診すること

世界卵巣がんデー

2013年5月8日に第1回世界卵巣がんデーが開催されました。そこから10年、毎年のように卵巣がんのリスクや自覚症状について女性に知ってほしいと発信を続けています。最近では「世界卵巣がんデーの情報を目にした情報が自分の体調不良とあてはまり、Ⅰ期で見つかった」といった声を聞くことも増えてきました。

今の科学では検診で早期発見・死亡を減らすことが証明できない卵巣がんですが、症状を理解し、不調があればためらわずに婦人科受診をすることで守れる命があると知ってもらえたらと思い、活動を続けています。