●だれかと比べるのではなく、自分の子育てを信じてほしい

サヘルローズさん4
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――SNSなどもあり、情報がたくさんある世の中で、どうしても人と比べてしまう点があると思います。では、人と比べないというのはどのように実行していったらいいのでしょうか?

サヘル:生活環境も、背景も家族によって違います。ほかの人ができて自分ができないことを責める必要もないですし、逆に自分しかできないこともあるはずです。比較をする必要ないですし、自分の子育てを信じてほしいな、と思います。

同時に、自分のやりたかったことを子どもになすりつけちゃいけない、と思っています。無意識に親は「こうしたほうが幸せ」と子どもの未来を考えてやっていることだとは思うんですが、押しつけてしまうことがあります。

子どもは自分がやりたいことをやって失敗したとしても、それは経験になっていきます。だから、子どもを守りすぎるのも決していいことではないんです。子どもも大人もそれぞれ自分をもっていますし、それを知るためにも、日本の家庭には対話がもっと必要だと思うんですよね。

●いちばん飾り気のない言葉で自分を叱ってくれる親の存在

サヘルローズさん5

――サヘルさんがご覧になっているなかでは、コミュニケーション不足だな、と感じられますか?

サヘル:とても、とても、感じます。うちの場合は逆にコミュニケーションが多く取れているということもあるかしもれませんが。やっぱり、親のほうが年齢を重ねているので、経験値が豊かなんですよ。

親と話すことで、壁の乗り越え方だったり、苦しんでいるときは救われることもあります。経験して苦しんで、失敗してきた先輩ですし、いちばん飾り気のない言葉で自分を叱ってくれる存在です。若いときは叱られるのが苦しいかと思いますが、大人になってから理解できることも多いと思います。