Case3.木や珪藻土を用いた心地よい空間を、アクセントウォールでリズミカルに
Yさんの家 千葉県
設計/中村高淑建築設計事務所 撮影/山内拓也
デザイン事務所を主宰するYさん夫妻は、小学生の子どもと夫の母との4人暮らし。夫妻がテレワークできるように、自宅を二世帯住宅に建て替えました。
ワークスペースは2階に配し、仕事を終えるとLDKのある1階に下りて、仕事のオン・オフを切り替えます。職住一体の暮らしに一役買っているのが、空間を彩る内装です。
キッチンは、トーンの異なるグレーの塗り壁で落ち着いた雰囲気。LDKの天井はシナベニヤを市松模様に張ってリズミカルに。床には心地よい触感で表情も豊かなナラやレッドシダーを、壁・天井には珪藻土クロスやペイントを採用しました。
とくに塗り壁では色づかいに気を配り、グレートーンの種類が豊富なイギリスのメーカー「FARROW&BALL」を使っています。キッチンなどの塗り壁は、家族で仕上げた作品です。
キッチンのグレーの壁や、正面奥に見えるビルトインガレージの黄色い壁は、家族で塗装し、家づくりのよい思い出に。
落ち着いた英国風ブルーグレーのペイントに白い壁と設備機器、木の組み合わせがさわやかな、二世帯共用の洗面脱衣室。2階の床はすべてナラ材を使用。
子世帯の寝室に隣接するウォークインクローゼットの壁も、好みの色でアクセントウォールに。
Case4.オーク無垢床に構造表しの天井。アイアンの大黒柱が効いているおおらかな空間
Nさんの家 千葉県 家族構成/夫37歳 妻36歳 長男 次男
設計/こぢこぢ一級建築士事務所
30代夫婦が「故郷で、のびのびと子育てしたい」と願って建てた注文住宅事例です。建物は切り妻の大屋根がかかった平屋。
LDKは、床にオーク無垢材を使用し、壁は漆喰仕上げにして、五感に心地よい自然素材でまとめました。フランス製のダイニングテーブルとイスは、いずれもヴィンテージ。
南側に広がる庭に向けて、はき出し窓と腰高窓を設置。「庭の向こうに広がる周囲の眺めが、心地よさを生みにくいと感じたため、視線が抜けすぎないよう、大窓ではなくあえてサイズを絞りました」(設計した小嶋良一さん)。
構造表しの天井がダイナミックで、ゆったりとしたLDK。ここで兄弟は、思いきり体を動かします。黒いアイアンの大黒柱は、子どもたちの登り棒に。
キッチンは、「壁づけ+アイランド型」の作業台の2タイプを造作。レンジフードの存在感を弱めるため、コンロは壁づけ部分に設けました。タイル貼りの壁がモダンな雰囲気です。
子どもが走り回っても気にならない、伸び伸びと育つ、おおらかな空間が生まれました。