二世帯住宅では、浴室を共有にするか、それぞれにつくるかで悩みがちです。2年前に二世帯住宅を建てた日刊Sumaiライターは、各世帯にライフスタイルに合った浴室をつくりました。費用も余計にかかり、限られた床面積のなか浴室スペースは2倍に。でも、各世帯が気兼ねなく入浴できて、よかったと感じています。各浴室で採用した設備をレポート。
すべての画像を見る(全11枚)親世帯・子世帯それぞれの生活が快適になるよう、浴室を別々に
筆者は、玄関以外は完全分離型の3階建て二世帯住宅に、義母、夫、息子(1歳10か月)、筆者の4人で住んでいます。建てるにあたって希望したのは「それぞれの生活が快適で、ほどよい距離感で交流できる家」。そんなわが家の間取りは以下のとおりです。
1階:親世帯のLDK、トイレ、浴室、洗面・脱衣所、寝室
2階:子世帯のLDK、トイレ、浴室、洗面・脱衣所
3階:子世帯の寝室、子ども部屋
1階は、60代前半の義母が生活しやすいよう、階段の上り下りがない親世帯のスペースに。LDK、トイレ、浴室、洗面・脱衣所、寝室を一式そろえ、ワンフロアで生活が完結できるようにしています。
2、3階は子世帯のスペースですが、2階にも浴室があります。
夫の帰宅が遅いと入浴時間が夜中になる、子どもの成長や人数の増加で使用する頻度や時間帯が増えるだろう、と考え設置することにしました。また、夫自身が実の母とはいえ、入浴時に鉢合わせしたくない、という理由もありました。
親世帯は1人用のコンパクトサイズ。出入りがしやすい手すりを設置
親世帯のスペースは、水回りと居室をワンフロアで収めること、ひとり暮らしであることを踏まえ、浴室の広さは、1216(0.75坪)サイズにしました。
浴槽のサイズは、681×1069mm。義母からは、ひとり暮らしだから十分だけど、足を伸ばして入れないので、欲を言えばもう少し大きければ、うれしかったとのこと。浴槽のサイズはもう少し大きくできればよかったなと後悔ポイントです。
●浴槽からの立ち上がり補助に手すりを設置
浴室のプランを決める際、義母が希望したのは、浴槽から立ち上がる際の「手すり」。入居して2年、実際に浴槽から立ち上がるのに重宝しているとのこと。今後を考えるとつけてもらって本当によかったと話しています。
●シャワーのバーも手すりになるタイプを選択
シャワーのバーにも手すり代わりになるタイプがあると聞き、オプションでお願いしました。通常のものに比べ、太く荷重に耐えられるそうです。
将来のための安心材料になります。また、介護が必要になったとき、「少し補助を追加して、自立を支援する」という観点で、手すり(セーフティバー)はとても有効。設計段階でつけてよかったなと思っています。
子世帯は2、3人で入れるサイズ。子どもも使いやすいベンチ浴槽を採用
子世帯の浴室は小さな子どもと入ることを重視しています。広さは、複数人で入る点を考え少し広めの1616(1坪)サイズに。子どもが小さいうちに必要なベビーバスや、バスチェアも洗い場に持って入ることも可能です。
●子どもの年齢を考えベンチのある浴槽タイプを選択
浴槽は、ベンチのある686×1456mmサイズに。子ども1人+大人1人で入るには十分な広さです。少し窮屈ですが、子ども1人+大人2人で入ることもできます。
息子にはベンチがあってよかったなと思っています。身長178cmの夫はベンチの上に足を乗せれば足を伸ばせ、151cmの筆者には、ベンチが支えになり姿勢を安定させるのにちょうどいいです。ベンチスペースがあるぶん、満水時でも260Lとサイズを確保しながら節水できる点もうれしい。
●スライドバーで人に合わせてシャワーの高さ調節ができる
シャワーは、身長84cmの息子の高さから、178cmの夫が立ってシャワーを浴びる高さまで上げることもできます。体勢を変える必要がなく、シャワーが人に合わせてくれるので便利です。
●生活スペースと同じフロアにあって、育児もスムーズ!
息子が生後半年からこの家に住み始めたので、入居当時は離乳食の真っ最中。食後やおむつ漏れのたびに、お風呂へ直行していました。現在も浴室を頻繁に利用するので、子世帯のLDKと同じフロアにあって大正解でした。入浴前後の動線も交わらないので、個々のペースで生活でき便利です。