コンパクトなマンションリノベーションの鉄則は、限られた床面積を有効活用すること。それはわかっていても、具体的にどうしたらいいのか、悩んでいる人は多いでしょう。そこで、さまざまなリノベーション事例をもとにして、有効活用のカギとなる「収納」「間取り」「家具+建具」の3つの視点から解説します。

オープンクローゼット
扉なしのオープンクローゼットは、カラフルな「魅せる収納」にする手もアリ
すべての画像を見る(全17枚)

1.収納編:収納スペースを増やすと居住ペースが減る、を解決

「収納はたくさん欲しいけど、ほかのスペースを犠牲にしたくない!」。コンパクトマンションで貴重な空間の多くを収納に費やすのは勇気がいること。そこでひと工夫です。「収納を1か所に集約」「小上がり+床下収納の合わせ技」「玄関土間の活用」「見せつつ広々、なクローゼット」など…。アイデア満載の収納づくり事例をご紹介します。

 

●一か所集中収納で、効率的にスペースを使う

上の写真の事例では、リビング西側の個室にあった既存のクローゼットを撤去。新たにワイドな大容量オープンクローゼットを造作して、収納スペースを確保しました。上下に用途別に3分割して、天井から床までうまく使いきっています。収納されているのは、おもに妻の洋服や身の回りのアイテム。サイド部分には大胆なチェック柄のクロスを貼り、空間のアクセントとしました。

■DATA
K邸 東京都 家族構成:夫婦 築年数:17年 専有面積:60.00㎡ 設計・施工:スタイル工房

 

●便利な小上がりの床下収納。季節ものはここに収めます!

小上がりの床下収納

こちらの事例では、広々したL字型の玄関土間を設け、隣に小上がりの和室を配置。障子の開け閉めでプライバシーをコントロールできるように。床一面に敷き詰められた琉球畳を外すと床下収納が現れます。「防災グッズなど普段は使わないものの保管場所に。とても助かっています」とオーナーも満足。

 

ウォークインクローゼット

和室の奥には2.5畳大のウォークインクローゼットを設置。押し入れには布団と妻の桐ダンスなどが収まっています。

■DATA
H邸 東京都 家族構成:夫婦・子ども1人 築年数:28年 専有面積:50.15㎡ 設計:ブルースタジオ

 

●玄関土間に収納をつくれば、汚れが気にならないんです

広い玄関土間の収納

広い玄関土間が、マンションらしからぬゆとりを感じさせるI邸の玄関スペース。リノべる。のショールームで土間のある実例を見て気に入り、取り入れたそう。

アウトドアで使う遊具などの屋外用品を、汚れを気にせず置けるのでとても便利。また、靴の数が多いため、収納棚を両側の壁2か所に設置。引き戸を開けるとLDKが見渡せます。

■DATA
I邸 東京都 家族構成:夫婦・子ども2人 築年数:47年 専有面積:54.82㎡ 設計・施工:リノべる。