旅行ジャーナリスト小野アムスデン道子さんが、世界中・日本中を巡って出合った「名店の味」のなかから家でも簡単に再現できるレシピをご紹介します。
「界 ポロト」の「鮭とじゃがいものすり流し鍋」を再現
すべての画像を見る(全4枚)今回は、北海道の白老に1月14日にオープンした星野リゾートの温泉旅館「界 ポロト」の絶品「鮭とじゃがいものすり流し鍋」です。
「界 ポロト」があるのは、新千歳空港から電車で50分ほどの白老町。近くにはアイヌ文化や歴史、風俗をテーマにした「民族共生象徴空間 ウポポイ」があります。ポロト湖を望んで、白樺の林を抜けるようなロビーを入ると、北海道らしさが満ちてます。
珍しい茶褐色の温泉「モール温泉」は、世界でも珍しい植物由来の腐植質の有機物を含有する温泉でとろみがあり、アルカリ性の湯はお肌がすべすべになります。ポロト湖にせり出した露天風呂、洞窟の中にあるような内風呂など自然を感じる温泉が楽しめます。
北海道といえば、海鮮や乳製品などおいしい食材の宝庫。この「界 ポロト」の朝ごはんで出た「鮭とじゃがいものすり流し鍋」は、豆乳、白みそが入ったまろやかな出汁にバター、ジャガイモのすり流しが奥深い味わいを出していて絶品。
鮭のつみれには、フードプロセッサーを使ったすり身にごろごろした歯ざわりがおいしい角切りの鮭を混ぜています。手が込んでいますが、家庭でもできる応用バージョンのつくり方も教えてもらいました。滋味いっぱいの鍋は、まだ少し肌寒い日に心身ともにほっとできるおいしさです。
●鮭とじゃがいものすり流し鍋
【材料(4人分)】
<鮭つみれ>
- 鮭切り身 4切れ(約200g)※皮、骨は取り除く
- 塩 (鮭の切り身に対して1%)
- A[ラード5g 全卵1/2個分 白みそ5g 山芋すりおろし5g 片栗粉5g]
- タマネギ(粗目のみじん切り) 20g
- おろしショウガ 5g
- 万能ねぎ(小口切り)5g
〈鍋出汁(4人分)〉
- 出汁(カツオと昆布でとった出汁) 600g
- ジャガイモ(大2個) 200g
- 白みそ 100g
- 豆乳 60g
- みりん 20g
- 酒 20g
- 薄口醤油 30g
- バター 10g
- 彩り野菜(7cmカット)[水菜120g 千切り大根180g 千切りニンジン40g]
- シイタケ(スライス) 2個
【つくり方】
〈鮭つみれ〉
(1) 鮭の皮と骨を取り除き、重量に対して1%の塩をふり冷蔵庫で1時間寝かせる。
(2) (1)の鮭の水分をふき取り、3等分に分ける。
(3) 鮭1/3の量、Aをフードプロセッサーにいれ、よく混ぜ合わせる。
(4) 鮭2/3を包丁で1cmくらいの角切りにし、おろしショウガ、万能ねぎ(小口切り)、タマネギ(粗目のみじん切り)と一緒に(3)をざっくりと混ぜ合わせる。
フッドプロセッサーがない場合:
鮭つみれは、鮭を2等分に分けて、1/2を包丁で粗目にたたたき、Aの材料と混ぜ合わせ、残り1/2を(4)の調理でつくる。
〈鍋出汁〉
(1) ジャガイモは泥を洗い、皮付きのまま1%の塩水で水からゆっくり茹でる。(ゆっくりと火を入れることで甘さが出るため、沸騰させないように中火で40分)
(2) ジャガイモの皮を剥き、出汁、白みそ、豆乳、みりん、酒、薄口醤油と一緒にフードプロセッサーで混ぜ合わせる。
フッドプロセッサーがない場合:
ジャガイモ200gをすりおろし、出汁(700g)、みりん、酒、薄口醤油(5g)とあわせ煮込み、ジャガイモに火が入ったら火を止めて豆乳、白みそをとかす。
フードプロセッサーを使った場合と味わいが変わるため、一部の分量を変えています。
〈鮭とじゃがいものすり流し鍋〉
(1) 鍋出汁を沸かし弱火にしたところに、鮭つみれをスプーンで形を整えながら鍋出汁に入れていく。
(2) 鮭つみれに火が入るよう、アクを取りながら少し煮込む。
(3) シイタケのスライスをいれ、3種類を合わせた彩り野菜、バターを入れる。好みで黒コショウを加えてもおいしい。