毎月の家計費のなかでも、大きなウエイトを占めるのが住居費。持ち家の人も賃貸の人も、その大きな出費に家計が圧迫されているケースは多いよう。
「住居費は、見直しには手間と行動力が必要ですが、うまくいけば大きな効果が期待できます」と話すのは、家計再生コンサルタントの横山光昭さん。
見直しのポイントを教えてもらいました。
持ち家派も賃貸派も。家計に大きく響く住居費を効果的に見直してスリム化を目指しましょう!
総務省の統計によると、住宅ローンの返済額の平均は、月4万6199円。
(※全国の勤労者世帯のうち4人世帯の平均額(総務省統計局「家計調査」2017年))
収入によってもそのウエイトはまちまちですが、いずれにしても、ほとんどの家庭で、固定費の最大のボリュームゾーンとなっているのが現状です。
必要経費と割り切ってしまう前に、今一度、見直しポイントを確認してみましょう。
●“超低金利時代”到来!積極的に借り換えを
すべての画像を見る(全2枚)「今はかつてないほどの超低金利。ローン金利が高い人は、積極的に借り換えを検討しましょう。手数料も安くなってきているので、金利差が0.5%あれば検討の価値あり、です」
賃貸の人も、相場より家賃が高いようなら、家賃交渉や引っ越しの検討を。
「住宅費の膨張は貯蓄が増えない要因になり、危険。今は広い家よりも自分らしい暮らしを大切にする人も多くなっています。今一度収入に合った暮らし方を考えてみて」
ちなみに、ESSEレポーター200人のアンケートによると、持ち家派が76%、賃貸派が17%。住宅ローンの種類は変動型が40%、固定型が35%という結果が。
●<持ち家派>超低金利の今、リスクの少ない固定金利への借り換えがおすすめ
ローン金利が高い人は、今が借り換え時!
「以下の3条件に当てはまれば、トクする可能性が大です。当てはまらない人も、手数料が安い金融機関ならトクする場合も。あきらめず、サイトでシミュレーションを。金利タイプは、低金利が続く固定金利型が安心です」
借り換えでトクする3条件
・残債1000万円以上 ・残り返済期間10年以上 ・金利差0.5%以上●<持ち家派>繰り上げ返済は無理しない。教育費の貯蓄を優先しよう
返済期間の短縮に効果的な繰り上げ返済ですが、無理は禁物。
「まとまったお金ができたからと、その都度繰り上げ返済で貯蓄を使うと、教育資金が貯められなくなります。まずは教育資金準備を優先し、繰り上げ返済は余力で」
●<持ち家派>今ローンを借りている銀行に金利の交渉をするのも手
借りている銀行の現在のローン金利が自分の金利より有利な場合は、引き下げを交渉しても。
「他銀行への借り換えをシミュレーションして持参すると、本気度が伝わります。うまくいけば、安い手数料で負担が軽減できます」
「変動金利1.9%で返済中でしたが、残債3000万円のときに変動金利0.65%のローンに借り換え。毎月の返済額1万2000円、ボーナス時3万5000円も負担が減りました。浮いた分は今は貯蓄に、いずれは繰り上げ返済に回すつもり」(Sさん・36歳)
・ESSE読者の成功例2:金利交渉をしてマイナス0.5%までダウンに成功「3年固定・0.9%のローンを組み、4年目の金利が1.475%に上がる直前に銀行と交渉。1%まで下げてくれましたが、さらにネット銀行のサイトで諸費用込みで0.5%への借り換えシミュレーションを持参して交渉したら、0.95%に!」(Yさん・41歳)
●<賃貸派>家賃が収入の3割を超える人は引っ越しの検討を
月収の3割を超える住居費は、貯蓄ができない危険ゾーン。
「自由に住まいを変えられるのが、賃貸の強みです。子どもの進学時に家賃が安い郊外に越したり、同じ学区でもっと安い物件を探すなど工夫を」
●<賃貸派>勇気をもって家賃交渉をする
今の家賃が後から入居した人の家賃や周辺相場より高い場合は、大家と交渉するのも手。
「きちんと家賃を払ってきた人なら、大家も新たな借り手を探すより値下げに応じた方がラク。狙い目は更新時」
「同じマンションに住む人や転勤族仲間から家賃は交渉できると聞き、契約時に不動産会社の担当者に相談。その場で大家に連絡して、2000円引き下げてもらえました。5000円〜1万円安くなった知人もいます」(Hさん・44歳)
毎月の住居費が削れれば、家計はぐんとラクになるはず。ダメもとでもOKぐらいの気持ちで、まずは見直しにチャレンジ!