なぜ、リビングや子ども部屋では、勉強に集中できないのか?

高校生のときはどこで勉強していましたか?
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では、将来の進路を決める「大学受験」をひかえた高校生での勉強は、どうだったのでしょう。「高校生のときはどこで勉強していましたか?」という質問に対して、64%の学生が「塾や図書館・自習室」などの外部空間と回答。そして、「子ども部屋」が32%と続きます。

また「リビングダイニング」は4%と減り、大学受験という最難関の時期に「リビング学習」は、ほぼ選択されていませんでした。

 

高校生がいちばん集中して勉強できた場所は?

また「あなたがいちばん集中して勉強できた場所をひとつだけ選んでください」という質問には、78%の学生が「塾や図書館・自習室」などの外部空間をあげています。

その理由として、「周りが勉強しているので」「誘惑がないから」「集中できるから」と回答しています。

このように、勉強に集中できるという点では「塾や図書館・自習室」などの外部空間が「子ども部屋」や「リビング学習」を大きく引き離し、すべての時期で支持されているのです。

そして、子ども部屋が勉強空間として支持されない理由としては、「子ども部屋は、趣味のものなどを置いているため、誘惑が多く集中できない」「疲れたら、ついベッドで寝てしまう」などが上位に。子ども部屋に求められる「勉強する機能」と「就寝やリラックスする機能」の両立が、じつは難しいことが要因になっています。

つまり集中して勉強してもらうためには、「子どもが集中できる勉強空間=学習ルーム」を、子ども部屋とは別につくることが必要になります。そして、この「学習ルーム」ですが、じつは部屋割りの工夫で簡単につくることができます。

では、どのように「学習ルーム」をつくればよいのか。一般的な3LDKマンションの間取りを使ってみていきましょう。

 

小学生の時期は、リビングダイニング隣に「学習ルーム」を!

先ほどのアンケート結果にもありましたが、小学生の期間は、中学受験の有無にかかわらず「リビング学習」が支持されています。

しかし、リビングダイニングは家族が集まる場所であるため、ほかの家族がTVを観たり、会話など団らんしたりすることも。勉強に集中するためには、そういった「音」がジャマになってきます。

 

子どもが集中できる勉強空間が学習ルーム

そこで、リビングダイニングの一角に学習机を置いたり、ダイニングテーブルを学習デスクとして使ったりする「リビング学習」ではなく、リビングダイニングに隣接する部屋を「子どもが集中できる勉強空間=学習ルーム」として部屋割りします。

 

リビングダイニングに並ぶ洋室を「学習ルーム」とした例

こちらはリビングダイニングに並ぶ洋室を「学習ルーム」とした例です。

 

間仕切り扉を閉めた学習ルーム

食事をしたりテレビや会話をして団らんしたりするときは、間仕切り扉を開けておき、オンライン授業や集中して勉強するときは、間仕切り扉を閉めて「学習ルーム」として独立させます。

 

子ども部屋は学習ルームとは別にする

モデルケースのマンションの玄関に入って、右手にある洋室は、兄弟姉妹で一緒に使う「子ども部屋」として部屋割りします。この「子ども部屋」は、従来の子ども部屋から「勉強をする機能」を独立させ、「学習ルーム」へと移動させたものです。

そして、掃除や片づけなどの運用ルールは、基本的に子どもたちで作成・運用させます。完璧でなくても、ある程度は目をつぶって見守りましょう。

幼い子どもの頃から、ひとつの部屋を兄弟姉妹で使うことで、協調性や思考力・思いやりや、コミュニケーションの力をはぐくむこともできます。