暑くて寝苦しい夜には、どうしても寝汗をかくもの。
「朝起きたときににおいが気になるから、寝汗をかかないようにしたい」と思いがちですが、「医学的にいえば、寝汗はかいた方がいいんです。寝汗をかいてもにおわないように対処することが大事」というのは、マブチメディカルクリニック院長の馬渕知子さん。

ここでは寝汗の正しいケア方法について伺いました。

質のいい寝汗
質のいい寝汗のために、水分をしっかりとってから眠りましょう(写真はイメージです)
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寝汗をかいて健康に!正しくケアすればにおわない

「そもそも、全身に広がるエクリン腺から出る汗の成分はおもに水とミネラルで、それ自体ににおいはありません。汗がにおうのは、食生活の乱れなどで汗をつくる血液の状態が悪化するか、角質や皮脂と同様、汗をエサに菌が繁殖することで起きることがほとんどです」と話す馬淵さん。

つまり睡眠中にかく寝汗は、すぐにふきとれないので、菌が繁殖しやすい状態といえます。

「とはいえ、寝汗を減らそうと水分を控えるのは健康によくありません。寝ている間は皮膚から水分が蒸発するものなので、水分がたりないと血液の水分が失われ、ドロドロに。心筋梗塞や脳梗塞の原因にもなります」

質のいい汗をかき、上手に寝汗に対処する方法を教えてもらいました。

寝汗

●寝るときの衣類や寝具を吸水性のいいものに

「寝るときの衣類や寝具を、吸水性のいいものにしてみましょう。寝汗がひどい人は、熱がこもらない材質のものを選びましょう。ワンピース型の寝巻きは風通しがよく、おすすめです」

●首の周りや足のつけ根を冷やす

「体が熱くなるタイプの人は、首の周りや足のつけ根をアイスノンのようなもので冷やせば、汗を大量にかくのを防ぐことができます」

●朝に汗をしっかりシャワーで流す

夜のシャワーは軽くして、朝しっかりと洗い流すのも効果的。
「朝に時間がない人は、角質が出やすくにおいの発生源になりやすい首や耳の裏を、濡れタオルでふくだけでもいいですよ」

●日ごろから食生活を整える

「食生活によって、汗をつくる血液の状態は変わります。バランスが乱れていたり、コンビニ食ばかりだとよくありません」

特定の食品がいい、悪いというより、バランスをとることが大切です。
「とくに肉だけ、お菓子だけだと血液状態が悪くなります。また、糖質制限を徹底しすぎるなど、無理なダイエットも体内のバランスが崩れる原因に。ストイックにやりすぎず、ゆる糖質オフ、ゆる運動くらいにとどめましょう」