家族と会話しながら調理のできるオープンキッチン。その楽しさばかりが強調されがちですが、実際のところ、その満足度や使用感は気になるもの。オープンキッチンを15年間使い続けて感じたことを、暮らし評論家の大木聖美さんが語ります。オープンにするかクローズドにするか。キッチンの間取り迷っている人は参考に。

キッチン正面
会話しやすい、家事しやすい…がオープンキッチンよいところ
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満足感は人それぞれのオープンキッチン

もはやキッチンの定番「オープンカウンターキッチンスタイル」の家に、筆者が住んで15年。

住みながら感じたのは、「キッチンをオープンにしたことで満足感を得られるかどうかは人それぞれ。だれもが得られるわけではないのだな」ということ。オープンカウンターキッチンのメリットとデメリットをまとめてみました。

 

オープンキッチンのメリット

●クローズドタイプに比べて開放感は抜群!

リビングダイニングとの壁の仕切りがないので、部屋がとても広く感じます。どこにいても抜け感を感じ、キッチンからは広い窓が見え、日の光も入ってくるので、明るくて開放感は抜群です。見栄えがよく、おしゃれな空間を演出しやすいのは、やっぱりオープンだからと言えそう。

 

●家族とのつながりを深く感じることができる

リビングとのつながり

キッチンにひとりでこもって孤独感を感じる、といったことはまったくなし。常にリビングダイニングとのつながりを感じるので、寂しいと思ったことは一度もありません。

家族の様子がいつも目に入るし、テレビを見ながら調理も可能。

子どもが小さな頃は、ケガをしないか見守りながら食事の準備ができたし、ダイニングで勉強している姿を見ながらの準備も。ときには会話にまで参加しながら、調理や片づけができるのは、オープンカウンターキッチンならではだと感じています。

子どもの年齢が上がり、高校生や大学生になると、それぞれのライフスタイルが確立します。食事をとる時間もバラバラになりがちです。

それでもキッチンで洗い物をしたり、明日のお弁当の準備をしながら、食事をしている子どもと会話できます。つかず離れずゆったりつながりをもてるのも、オープンだからこそだと実感しています。

 

●準備と片づけがやりやすい動線に

アクセスしやすいキッチン

キッチンカウンターに、できあがった料理を並べれば、ダイニング側から取ってもらえます。食事の準備がはかどります。また食後は、カウンターにサッと皿を置くだけでシンク側から受け取れるので、あと片づけもラク。

家族が準備や片づけをしてくれる動線が自然と確保されるな、と感じます。

 

●調理やお手伝いに参加しやすい

わが家では、箸やコップを並べたり料理を運んだりといった食事の準備は、リビングにいる人全員で行います。また、ギョーザの皮を包んだり、サラダの盛りつけたりといった作業を頼むことも。そうした際に、オープンタイプなのは、とても有利。いろいろな方向から、キッチンカウンターを囲めるためです。

オープンキッチンで私の調理している姿を常に見ているため、子ども達は調理に対するハードルがとても低くなりました。調理に参加しやすい状況を生み出せているのでは、と思っています。