なにかと出費が増える夏休み。なんとかして節約したいものですが、でも待って! 今の節約の仕方、合っていますか?
「スーパーでの買い物、ネットショッピング…。日常生活には、じつはムダがいっぱいなんです!」そう話すのは、ファイナンシャルプランナーの飯村久美さん。
よかれと思ってやりがちな節約術の、落とし穴について伺いました。
トクしたつもりが逆効果!?やってはいけない節約ワザ
「リボ払い、オンライン決済、その人に合わせて商品情報を提供するECサイトなど、私たちの生活は、以前よりもずっとお金が出ていくハードルが下がっています。一方、収入は右肩上がりが望めず、社会保障など公的負担も増えるばかり」と、飯村さんは言います。
「となると今までの節約術では、非効率だったり、逆効果だったりする場合も。お金が貯まりづらいと感じる人ほど、消費をあおる社会の仕組みを理解し、節約術を見直す必要があります」
ここでは日常生活でやりがちな節約術について詳しく伺いました。
●ネットの送料無料に踊らされない
「あとひとつ買えば無料だから」と使うお金も、積み重なれば大きな金額に。また最近多いのが、「1個でも送料無料」のサイト。
これじつは、気軽に購入できる状態にしたうえで個人の好みを分析し、新たな広告を表示させるというカラクリ。つまり必要としていないときに「買わされている」可能性が。
買わせる側の意図を理解して、必要なときだけ利用しましょう。
●安いからといってまとめ買いしない
あると際限なく消費してしまうお酒やジュース、買った分だけスペースをとる洋服は、まとめ買いには向きません。まとめ買いで節約になるのは、シャンプーや石けん、学用品など一定のペースで確実に使うものです。
<まとめ買いに向いているもの>
・ミネラルウォーター
・トイレットペーパー
・シャンプーやリンス
・子どものノート
<まとめ買いしてはいけないもの>
・お酒やジュース
・洋服
・エステなどのチケット
●「ネットスーパーより実店舗の方がおトク」とは限らない
入り口に色鮮やかな食品が並べてあったり、フェアが開催されていたりと、実店舗には購買欲をあおる仕かけがたくさん。ムダ買いしがちな人は、金額をチェックしながら商品を選べるネットスーパーの方が、買いすぎを防げます。
●セールに飛びつかない
節約の最大の敵が、安物の衝動買いです。衝動買いは「手に入れる」行為が快感なだけで、本当に欲しいものではない場合がほとんど。
買ったものを大事に使うためには、日頃から吟味して、欲しいものをリスト化しておくといいでしょう。
格安旅行は考えもの。自治体のサービスはぜひ利用すべき!
●家族旅行で格安長距離バスを使わない
少しでも節約したいレジャー費。とはいえ、安さ重視で長距離バスを利用し、目的地に到着した段階でヘトヘト…というのはやりすぎ。
移動時間を短く、新幹線や飛行機で、移動自体を楽しみましょう。
●具合が悪いとき病院に行かず、市販薬ですませてはいけない
私たちは毎月健康保険料を払っています。市販薬を薬局で買うのは、せっかくの保険をかけ捨てにしているのと同じ。きちんと病院で診てもらい、処方される薬を使う方が、長い目で見れば医療費の節約になります。
同じように、税金を納めている自治体のサービスも積極的に活用したいもの。スポーツジムやカルチャー講座、介護支援などを、民間より格安で提供していることも。ウェブサイトや広報誌を一度確認することをおすすめします。
<自治体などが格安で提供するサービス例>
・スポーツジム
・子どもの習いごと
・カルチャー講座
・健康診断
・産後ケア
・介護支援
・資格取得講座
・住宅支援
●ネットフリマでなんでもかんでも売らない
不用品の処分とこづかい稼ぎが両立できるネットフリマですが、売り手が負担する送料が高すぎるものや、元の値段が安すぎるものをちまちま売っても、「苦労したわりに、たいしたもうけにならなかった」となりがち。
送料を抑えられる化粧品、高値のつきやすい電子機器など費用対効果の高いものを、できるだけ新しいうちに売るのが賢いフリマ利用法です。
<ネットフリマで売ると、費用対効果の高いもの>
・化粧品
・そのシーズンの衣類
・引き出物などでもらうブランド食器
・ゲーム機やゲームソフト
・タブレットやパソコン