ドライヤーの出し入れ、郵便物の仕分け、靴箱の整理など、ちょっとした手間がかかる雑用やルーティンは意外と多いもの。ひとつひとつは小さな作業でも、1日トータルで計算するとけっこうな時間がかかっています。
整理収納アドバイザーなど数々の資格をもつ片づけのプロ・akaneさんは、日々の家事や雑用をムダなく、効率よく行えるさまざまな工夫を生活の一部に組み込んでいます。今回はだれでも取り入れられる時短テクニックをいくつか披露してもらいました。
毎日みんなが使うドライヤー類は見せる収納で出しっぱなしに
家族が共有して使うものは、収納場所をきちんと決めないと散らかり放題。
akaneさんのお宅では、洗面所のドライヤーは洗面台横が定位置です。といっても、奥にしまい込まずバスケットに入れるだけ。
これなら使ったあとすぐ横のバスケットに入れるだけでOK。ただし出しっぱなしでもゴチャゴチャして見えないよう、シンプルな白いドライヤーを選んでいます。
「無印良品のワイヤーバスケットに、ドライヤーとストレートヘアアイロンをそのまま突っ込んでいます。以前は引き出しに入れていましたが、コードを巻きつける、引き出しにしまうというツーアクションになってしまうため、意外と面倒。とくに子どもはなかなか元どおりに収納してくれませんでした」
ドライヤーは毎日使うもの。使う人みんなが実行できる収納方法を考えないと、結局だれかがフォローすることになり、きれいな状態を保つのも大変。
「取り出しやすさや利便性を重視した結果、わが家では見せる収納にすることにしました」
基礎化粧品はスプレーにつけ替えてフタを回す手間を省略
生活していくなかで、とにかくムダな動作を省くため、家事だけでなく、セルフケアもなるべく時短ですませられる工夫が。
「無印良品の基礎化粧品を愛用しているのですが、購入時はフタを回して開け閉めする仕様です。でも忙しい朝や入浴後にフタをいちいち回すのが面倒に感じて、別売りのスプレーヘッドにつけ替えました」
スプレーには持ち運びの際の漏れ防止にキャップが付属していますが、akaneさんは洗面所でしか使わないため処分。スプレーを押すだけのワンアクションで化粧水や乳液が使えるようになりました。
ボトルは洗面台の鏡裏に収納しているため、キャップなしでもホコリが入る心配はなし。
「片手で取り出し、シュッとスプレーしてさっと戻すだけです。1日2回必ず行うルーティンなので、面倒だなと感じながら使い続けるのは時間のムダです」
郵便物の一時置き場をつくれば、リビングが常にすっきり
ほぼ毎日家の中に入ってきて、放置するとあっという間にたまってしまうのが郵便物。処理しそびれると、大事な書類や締めきりのあるものを紛失してしまう危険性もあります。
ほんの少しの間でもダイニングテーブルに置きっぱなしだと部屋が散らかって見えてしまうため、akaneさんは、“一時置き場”をつくることでこの問題を解決。
「リビングに収納しているケースの上に書類トレーを置いて、郵便物の一時置き場にしています。郵便受けから取り出したらとりあえずこのトレーに収納。家事がひと段落した隙間時間に、郵便物の『いる』『いらない』をチェックします」
すぐに片づけられなくても、とりあえず置く場所を確保しておくだけで常に部屋がすっきり。
「整理収納は、無理なくできることが第一。部屋をきれいにしようと全部きっちり収納にするのは、見た目はきれいですが戻せなかったときが大変。忙しくて片づけられないと元に戻すのが手間だし、それができない自分にもイライラして逆効果になってしまいます」
一時置き場のように、ゆるい収納スペースという逃げ道をつくっておくと、“とりあえず片づいている”状態をキープできるので、ズボラな人にもおすすめです。
シュークローゼットは、はく頻度が高い靴を下段に
akaneさん宅のシュークローゼット掃除は2、3か月に1回。掃除するタイミングで欠かさず行っているのが、靴を置く場所を入れ替えることだそうです。
「棚をふくため靴をすべて出したら、戻すときはよく使うものから順に下段から入れていきます。わが家のシュークローゼットは仕組み上、玄関に立っていると上段が死角になって靴の様子が分かりません。急いでいるときは、靴を探してかがむ動作が手間に」
そのため、立っていても座っていても中身が見える下段に、よく使うフラット靴やスニーカーを置いているそう。
上段には、休日やたまにしか使わないヒールパンプスを収納。
「パンプスは、右足と左足を少しずらして収納するのがこだわりです。土踏まずのくぼんだ部分に片方のヒール部分を置くことで、1足あたりに使うスペースが少しずつ小さくなります。これで普通だと4足しか並ばないところに5足収納することができるんです」
「100円ショップのシューズラックを使うともっとたくさん収納できますが、一度の動作で取り出せないうえ、靴の数が多いとラックをたくさん購入しなければなりません。使わないかわりに、定期的に靴の処分をして増えすぎないよう管理するようにしています」
靴はシュークローゼットに入るだけと決めてしまうと、靴が玄関のたたきに並ぶこともなく、すっきり。
ちょっとした手間を省けば、家事やルーティンがスムーズにできて時間にも心にも余裕が生まれるはず。毎日「時間がない!」と感じている人は、akaneさんのアイデアをぜひマネしてみては。