「私自身も、次男が巣立って一人暮らしになってからは、確かに寂しい気持ちになりました。ただ、『なにに対してもやる気がしない』などの重症まで至らずにすんだのは、精神的に子どもたちと分離できていたからだと思います」

7年かけて子離れの準備をしてきたというりっつんさん。

「『大学卒業するまではお弁当や食事の世話はするけれど、卒業したら絶対独り立ちしてね』と強い気持ちで接し、二人が高校生の頃から徐々に子離れの準備を開始。そして大学進学後は、一切彼らの行動に口を挟みませんでした。『絶対に留年は許さない』『大卒後は必ず就職して』とは言いつつ、夜遅く帰ろうが外泊をしようが、見て見ぬふり。授業をサボッて家にいても『学校は大丈夫なの?』『単位は取れているの?』などと口を挟むことはありませんでした。ときどき、口を出したい衝動に駆られても、歯を食いしばって飲み込みましたね」

子の大学時代は、子離れの最終段階。この時期に、りっつんさんは「空の巣」にならないよう、自分一人でも楽しめる趣味を探して、巣の中に入れるようにしてきたと言います。

食事風景
ブログではお孫さんとの日々のこともつづっています(りっつんブログより引用)
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今は、一人暮らし歴も12年目。二人のお子さんも30代半ばでそれぞれ自分の特性を生かした仕事に就き、家庭をもつ父親に。昨年の夏休みには、その子どもたちが、りっつんさんが一人で住む4LDKの家に泊まりに来たそうです。孫娘とともに過ごした夏が楽しかったと目を細めるりっつんさん。

「今振り返ると、一生懸命子どもを育てて手放すと、次になにか握るものがあるんです。子育てだけでは終わらないんですね」と晴れやかな笑顔。
孤独だけにおびえず、自分で自分を楽しませ、一人暮らしをとても楽しんでいるそうです。

そんな、りっつんさん初の著書『

未亡人26年生が教える心地よいひとり暮らし

』(扶桑社刊)は、一人暮らしでも機嫌のいい自分になる方法を教えてくれるエッセイ集。人とのつき合い方、そして暮らしまわりのことなど、生き抜く力をもらえるはずです。