住宅ローン金利が下がっている今、繰り上げ返済よりもローン残高を減らさず住宅ローン控除で税金を安くした方がおトク? と悩む人も多いのでは? ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんにジャッジをしてもらいました。
すべての画像を見る(全2枚)マネーの専門家がジャッジ!どっちがおトク?
まだまだ残高がある住宅ローン。この際、ボーナス時などまとまったお金が入ったときに繰り上げ返済したいけど、住宅ローン控除を続けたほうがいいのでは…? 実際のところはどうなのでしょうか?
●トクするローン返済は?住宅ローン控除VS繰り上げ返済
・年収500万円の人の場合
所得税=9万9500円※1
住民税=20万7500円※1
↓ 控除される上限額は?
所得税=9万9500円(全額控除)
住民税13万6500円 ※2(控除される上限額)
合計=23万6000円←ローン残高がどんなにあっても税金が安くなるのはこの金額まで!
※1 夫・会社員、妻・専業主婦(夫の扶養の範囲内でパート)、子どもは15歳以下の場合。
※2 所得税から控除しきれなかった分は、翌年の住民税から13万6500円を上限として控除されます。
【ジャッジ!】確実に利息が減らせる繰り上げ返済の方がおトクでした
「住宅ローン控除」とは年末時点での住宅ローン残高の1%が税額控除されて、税金が安くなるというもの。そこでローン残高を減らさない方が控除される金額(ローン残高の1%相当)が大きくなるので、繰り上げ返済しない方がおトクと考える人もいます。が、実際にはそうはなりません。
その理由は、控除されるのは、自分が払った税金の額が上限だから。しかも所得税は全額控除の対象になりますが、住民税は13万6500円が上限。
たとえば年収500万円の場合、所得税は9万9500円、住民税は20万7500円なので、控除額は9万9500円+13万6500円=23万6000円まで。仮にローン残高が3000万円あっても、控除されるのは1%の30万円ではなく23万6000円で頭打ちに。
つまり控除額はローン残金ではなく、払った税金の額で決まるというわけです。繰り上げ返済しても、しなくても、納税額が増えない限り控除額も増えないことに。一方、繰り上げ返済すれば、必ず利息節約効果があり確実におトクです。