テレビやネットで目にすることの多い「占い」。実際に占い師に鑑定してもらっているという人もいるでしょう。
上手につき合えればいいのですが、依存してしまうと、メンタルに支障をきたしたり、金銭的に追い込まれたりすることも。
ここでは、うつ専門メンタルコーチで、さまざまな相談を受けてきた川本義巳さんが、占い依存症の女性のエピソードを紹介してくれました。
占いにハマりすぎた結果、依存症に…30歳女性の思わぬ落とし穴
今回ご紹介する涼子さん(仮名・30歳・金融関係)は、ただの占い好き女子ではなく、完璧な占い依存症でした。
「占い依存を辞めたいんです」それが涼子さんの依頼内容でした。辞めたいというからにはなにか生活に支障が出ているのかな? と思い、話を聞いて私は驚きました。月に10万円は占いに使っているというのです。精神的にも不安定で、うつ傾向にありました。
彼女がハマっていたのは「電話鑑定」。
電話で占い師に相談に乗ってもらうスタイルですが、「~分~円」というシステムなので、時間が長ければ長いほど料金が高くなっていきます。
●電話での占いの頻度が増していき…
元をただせば、仕事のことや元彼のことでムシャクシャしていたときに、ふいにネットで見た占い師に電話で相談に乗ってもらったのかきっかけでした。このときの占い師の言葉がとても心にしみわたる感じがして、それ以降定期的に電話をするようになりました。
最初は月に1回1時間程度。それが毎週になり、今では週に2~3回は利用するようになったそうです。時間も2時間近くにもなることもありました。
それでも占い師からアドバイスをもらうと、不安が解消され穏やかな気分になれたといいます。
●あらゆることを相談するようになってしまった
そんな状態が半年ほど続いた結果、涼子さんはあらゆることを相談するようになりました。
旅行の計画も両親へのプレゼントも人間関係や趣味まで、「なにか決めなきゃ」と思うと、占い師に相談してアドバイスをもらってから…というスタイルに。
最初は「安心する」と思っていた涼子さんですが、徐々にズレが生じ始めます。
あるとき、占いのアドバイス通りにやったことが裏目に出たことがありました。それについて再度占ってもらったところ、なんだかうまくはぐらかされた感じを受けたそうです。
普通であればここで不信感を抱くところですが、涼子さんはその占い師に心酔していたため、なかなか断ち切ることができません。
それどころか「先生のもとを離れると不幸になるかもしれない」とさえ思い始めました。その結果、彼女がとった行動は「さらにもう一人、別の占い師を見つける」ということ。
「一人目の占い師に相談した結果をもう一人の占い師に相談する」…冷静に考えると矛盾しているのですが、当時はそこに気づけなかったそうです。しかし精神は不安定なまま。そしてある日、占いで使ったお金が1か月で10万円を超えたのに気づき、ついに「これはおかしい」と思い、私の元に来てくれました。