片づけで人生が変わる「こんまりメソッド」の発案者として、もはや知らない人はいない、近藤麻理恵(こんまり)さん。
Netflixのリアリティ番組が人気を博すなど、今や世界中でブレイクしています。国を超えて支持される理由とはいったいなんなのでしょうか。
国を超えて人気のこんまりさん。「片づけで世の中はポジティブになるはず」
ESSE online×LINE NEWSの共同企画として、現在こんまりさんが暮らすアメリカ・ロサンゼルスで取材を敢行。独占インタビューをお届けします。
●片づけることでわかる「必要なもの」
単なる「片づけ」の枠を超えて、多くの人から支持されるこんまりメソッド。
あらためて、こんまりさんの片づけが人生を好転させるのはなぜなのでしょうか。
「私が片づけでいちばん大事にしているのは、“ときめくものを選ぶ”“ときめくものを残す”ことです。ときめきを判断基準にして片づけると、自分の好みがクリアになってきます」
「そうすると今あるものを大事にするようになりますし、必要ないと感じたものは感謝して手放せるように。そして気がついたら、その人の暮らしにちょうどいいものの量がわかるようになってくるんですよね。それが私の提案する片づけが、人をハッピーにする大きな理由になるのだと思います」
●「ときめく片づけ」の先に見えてくるもの
初めての著書『人生がときめく片づけの魔法』が出版されてから約10年。
日本で、アメリカで、たくさんのお宅へお邪魔し、片づけのメソッドを伝授してきたこんまりさんですが、「片づけ」や「もののもち方」にまつわる世間の空気を、どのように感じているのでしょうか。
「アメリカに来て驚いたのは、消費社会だけあって、お宅にとにかくものが多いということ。家が広いぶんだけ、たまってしまうんですよね。片づけコンサルタントという仕事は、ものを捨てる現場を見続ける側面もあって。私自身、片づけをする方々へのアドバイスを続けながら『人がこんなに無目的にものを買い、結局は使わずに捨てたりするのはおかしい』という気持ちを、常にもち続けています」
その一方で、若い世代の意識の変化も感じられるようになったそう。
「サステナビリティやエシカルといった、使い捨て文化とは反対の、持続可能なものの持ち方に興味をもつ人たちも増えています。いたずらにものを買って増やしていくのではなく、背景がちゃんとしたもの、つくり手の意志がしっかりしたもの――それこそ、ときめきが感じられるものを買おうという流れが根づいてきているように感じます」
●片づけで、世の中は「ポジティブ」に
ESSE取材班も、その言葉には納得できるものが。
今回のロサンゼルス取材中、街のカフェで冷たい飲み物と一緒に出てきたストローは、プラスチックではなく、環境に優しい紙製のものでした。
つくり手の意志がはっきりしたものが増えていく流れと「こんまりメソッド」が合体すれば、「世の中はポジティブに変わるのでは」とこんまりさん。
「ときめくものだけを残し、自分に必要なものの量が把握できれば、人は無駄な買い物をしなくなります。そうなると、ものをつくる方も余計なものを生産しないようになってくる。世の中の供給バランス自体が変わってくるはず。そんな小さな積み重ねの連続で地球の環境も変わってくると思うんですよね」
「たくさんの方がご覧になる記事なので、とても大きな話をしてしまいました!(笑)」とこんまりさん。しかし彼女が提案する片づけは、実際にそれだけの大きなポテンシャルを秘めた行為のように思えます。
「毎日、少しずつでもいいんです。部屋の中にあるものをときめくもの・ときめかないものとに区別し、同時に自分の生活を見直してみることで、未来の消費の仕方も変わってくると思います」
こんまりさんのインタビューは、発売中の
ESSE1月号にも掲載されています。そちらでは、こんまりメソッドについてや、来年に向けての展望も語ってくれました。ぜひチェックしてみてください。
【近藤麻理恵さん】
片づけコンサルタント。著書
『人生がときめく片づけの魔法』シリーズが、全世界で累計1100万部を超すベストセラーに。2019年はNetflixの番組が注目を集める。最新情報は
https://konmari.jp/へ