50歳の漫画家・古泉智浩さん。古泉さん夫婦と母(おばあちゃん)、里子から養子縁組した長男・うーちゃん、里子の長女・ぽんこちゃんという家族5人で暮らしています。
今回も最近のぽんこちゃんの様子をレポートしてもらいます。
どうせわからないと思って言ったことが意外にも通じる1歳児
●ぽんこちゃんの発語レポート
すべての画像を見る(全4枚)ぽんこちゃんの言葉の成長がめざましいです。子ども用のコップを置いている食器棚を見上げて「アンパンマン! アンパンマン!」と叫んだときは、アンパンマンのコップで遊びたいのかなと思ったのですが、それは間違いで水を飲みたがっていました。
アンパンマンのコップに水を注いで手渡すとごくごくと飲みます。ストローボトルの水が飲みたいときは「みじゅ」と言います。
アンパンマンのぬいぐるみや、アンパンマンのお弁当箱も「アンパンマン!」と言うので、「アンパンマン」には「アンパンマンそのもの」と、「水」の2つの意味があることがわかりました。
また、先日母がぽんこちゃんにリンゴをむいてあげたときのこと。
うれしそうに受け取ったので
「ありがとうは?」
と、母がぽんこちゃんに尋ねると、リンゴを頭の上に持ち上げて「あいあい!」と言いました。どうやら「ありがとう」の意味のようです。
<ぼくが現在確認中の言葉>・ママ
・パパ
・アンパンマン(アンパンマンそのもの、水)
・バママ(バナナ)
・ん(肯定の意味の、うん)
・あいあい、あいあと(ありがとう)
・ねんね
・く(行く)
・はいどーじょ(はいどうぞ)
・みじゅ(みず)
最近、これに加えて「にーにー」も言うようになりました。お兄ちゃんのことです。
先日はちょっと驚いたことが。
ママが出かけているときに、ぽんこちゃんが部屋の戸をあけようとしていたので「ママいないよ」と言ったら「ママいない」と言いました。
リピートしているだけなのかもしれませんが、2語話すのは発達の過程で大変な進歩で、一大事です。「はいどーじょ」も2語にカウントしていいのかもしれません。
●うーちゃんと違うところ、同じところ
うーちゃんはもうすぐ5歳なのですが、夜は本当に寝るのが嫌いで、あくびをしていても自分が眠いことを否定して寝ようとしません。眠りに落ちるギリギリまでテレビを見ようとします。
それに対してぽんこちゃんは夜8時を過ぎると眠そうに眼をこすり、怒ったり機嫌を悪くしたりします。お薬を飲んで、歯をみがかないと眠れず、ようやく支度を終えて「ぽんこちゃん、ねんねするか?」と聞くと、「ん、ねんね」と言って、ベビーベッドがある妻の部屋に向かって歩き出します。自分から進んで寝ようとする、うーちゃんにはいまだに見られない行動です。
うーちゃんもぽんこちゃんも共通の行動があって、それは服を着せようとすると逃げること。
ぼくの着せ方が悪いのでしょうか。それとも子どもはそもそも服を着せられることが好きではないのでしょうか。
この前も、お風呂のあと、全身に保湿剤をぬりたくってオムツを履かせて肌着を着せたところで逃げられてしまいました。
ぽんこちゃんの足元にはパジャマの上着が落ちています。
「ぽんこちゃん、パジャマ持って来て」
意味なんて通じるとも思わず、ダメ元というかとりあえず言ってみたところ、足元の赤い模様のパジャマのズボンを手に取って、ぽんこちゃんがこちらに持って歩いて来たので驚きました。そうして、せっかく逃げていたのに捕まり、自ら持ってきたパジャマを着せられてしまうのでした。
「パジャマ持って来て」の意味が通じたのは驚きでした。わからないだろうと思ってぽんこちゃんの前でいろいろな話をしていると、うっかり内容を悟られてしまっているのかもしれません。
【古泉智浩さん】
漫画家。1969年、新潟県生まれ。93年にヤングマガジンちばてつや賞大賞を受賞してデビュー。里子を受け入れて生活する日々をつづったエッセイ
『うちの子になりなよ ある漫画家の里親入門』、その里子と特別養子縁組制度をめぐるエピソードをまとめたコミックエッセイ
『うちの子になりなよ 里子を特別養子縁組しました』など著書多数。古泉さんの最新情報はツイッター(
@koizumi69)をチェック!