49歳の漫画家・古泉智浩さん。古泉さん夫婦と母(ばあちゃん)、里子から養子縁組した長男・うーちゃんと、里子の長女という家族5人で暮らしています。
うーちゃんは寝る前に古泉さんに桃太郎のお話をしてもらうのが大好き。だけど、古泉家の桃太郎はふつうの桃太郎とはひと味違います。
うーちゃんの想像力と古泉さんの努力で桃太郎のストーリーは日々進化!
「桃太郎のお話をして! ちゃんと最後までね」
うーちゃんは夜の9時までに布団に入ります。僕が添い寝しながら寝かせています。最近は毎晩、桃太郎の話を聞かせるのが日課。
以前はうーちゃんが早く眠くなるように、もったいぶっておばあさんが川から大きな桃を持って帰るために洗濯物を川に置きっ放しにしてそれを取りに戻った話や、桃太郎がだんだん大きくなっていく様子、たとえば寝返りをしてハイハイをしてつかまり立ちをするところを詳細に話したりしていました。
それでも寝ないようだと疲れて「おしまい、続きは明日」と言って無理やり終わらせていたのですが、不満が噴出するように。
最近はうーちゃんの言いなりで、さっさと鬼退治をするところまで話しています。
僕「桃太郎は犬と猿とキジを仲間にして鬼ヶ島に向かいました」
うーちゃん「猫は?」
僕「犬と猿とキジと猫を連れて鬼ヶ島に向かいました」
うーちゃんの言いなりの僕。猫とウルトラセブンも連れて行くこともあります。
僕「鬼ヶ島に着くと赤鬼と青鬼が桃太郎たちを待ちかまえていました」
うーちゃん「緑鬼は?」
僕「赤鬼と青鬼と緑鬼がいました」
もちろんうーちゃんの言いなりに増えていきます。紫鬼やオレンジ鬼が出ることもあり、カラフルに。
僕「桃太郎は鬼たちを退治して、鬼が奪った宝物やお米を持って帰りました」
うーちゃん「子どものオモチャは?」
「鬼が子どものオモチャなんか盗るかよ」と思うのですが、うーちゃんには大問題なのでしょう。
僕「桃太郎たちは宝物やお米や、それから子どものオモチャをボートにのせて村に戻りましたとさ。めでたし、めでたし」
こうして締めるとなにやら納得したのか、睡眠のスイッチが入るみたいでようやく寝てくれます。
なにかとオリジナルの演出をつけ加えて、毎日話しているので、それがあるのが当たり前になっています。毎回共通しているのは桃太郎が鬼を退治して帰ること、これがうーちゃんにとって重要事みたいです。
今夜もぐっすりおやすみ、うーちゃん! いい夢見てね!