厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」によると、母子世帯の平均年間収入は243万円。
母子家庭のおもな雇用形態は、半数以上がパート・アルバイトなどの非正規。子どもが小さくて時間の融通が利かず、フルタイム勤務が難しいという事情が伺えます。また、元夫から子どもの養育費や学費が払われないというケースも。

ここではESSE読者のリアルなエピソードと、専門家のアドバイスをお届けします。

ある日突然、夫が失踪。公正証書もつくったが、養育費は振り込まれず…

ある日突然、夫が失踪
夫の突然の失踪にわけもわからず…(※写真はイメージです)
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<阪本麻利子さん(仮名)プロフィール> 
埼玉県・36歳
家族構成 長女7歳
年収 300万円
養育費 0円
5歳年上の夫が失踪し2年後に離婚。児童手当と児童扶養手当を受給中。手当はすべて貯蓄し、毎月の貯金額は5万円。現在の総貯金額は600万円

ある日突然夫が失踪しました。子どもが1歳になるかならないかの頃のことです。夫は国家試験取得のために勉強中の身で、何度も試験に落ち、かといって仕事もせずブラブラしていました。私は、発破をかけるつもりで「もっとがんばれ」とは言ったし、「そろそろ働いてほしい」とも言ったかもしれない。あとで聞いたところによると、夫はそれが負担だったとか。でも、これって、夫婦ならごく普通の会話ですよね。だから夫に出て行かれたことについては、ただただ驚いてしまって。

結局、夫はそれっきり家には戻らず、まったく音信不通になりました。私はわけがわからず、ショックで体調を崩してしまった。パニック障害をおこし、10キロくらい激ヤセし、一時は1歳のわが子を抱きかかえる体力もないほどに衰弱してしまいました。情けなくて悔しくて、自分が病んでいる感覚はないのに、体がいうことをきいてくれない。あの時期がいちばん辛かったです。

夫が失踪

帰ってこない人を待ち続けるわけにもいかず、近くに住んでいた両親や弟の力を借りて、離婚の手続きを進めていくことになりました。まず調停を起こしたのですが、居場所をつかむところから弁護士を頼まなくてはならなかったので、離婚成立までには、弁護士費用がかなりかさんでしまいました。彼は調停の場にも現れず、結局私たちは一度もお互いの気持ちを話し合うことなく、2年かけて離婚したのです。