新年度を迎え、節約や貯蓄が気になる時期。ムダにお金を使うのをやめて、貯金体質になるには、身近なお金のとおり道である“財布”の使い方を見直すのが第一です。
「たかが数百円と、出ていくお金にむとんちゃくでは絶対にお金が貯まりません。財布の中身を必要最小限にすることで“想定外”の出費を予防することが大事です」と語るのは、テレビや雑誌で活躍する生活経済ジャーナリスト、いちのせかつみさん。
ESSE編集部は、いちのせさんが実際に使っているお財布を見せてもらい、活用ワザを教わりました。
財布の中身は予定に合わせて。お金のプロの財布を拝見!
クリアファイルを使って日々の支出を管理する「クリアファイル家計簿」でおなじみのいちのせさんが愛用しているのは黒革の長財布。
「次にお金を渡す人に、折り目のないきれいなお札を渡したいので長財布派です。真ん中が仕きられていて、『仕事用』と『個人用』のお金を分けられるのもポイント」。
財布と一緒に写っているのは、のりづけしたのし袋。その中には新札の一万円札が。
「虎の子なので、気軽に出せないようにのりづけしていますが、実際、使ったことはありません」
●財布に入れていいのは2000円だけ。想定外の出費はカットする
財布に入れるお金は、個人用が1日2000円。仕事用は、その日の予定に合わせて額を変えます。
「日帰りなら1万円、出張なら2万~3万円が目安で、事務所に行くだけならゼロの日もあります」。急に会食などに誘われても、予定外のことであれば断るそう。
「お金がないから行きません(笑)。もともと衝動的なお金の使い方をする方だったから、財布の中身を制限して、“想定外”の出費を防いでいます。急に会って適当な店に行くより、『次回あらためて』と約束して、おいしい店を予約して行く方が満足度は何倍も上ですよ」
小銭を持っていると使いきりたくなるので、電子マネーで支払って小銭をつくらないようにするのも衝動買いを防ぐ工夫のひとつ。
「1日300円のムダを削れば1年で10万円に。『財布にお金がないと、いざというとき不安』という人もいますが、『いざというとき』ってまずない。もしあったら、財布にいくらあってもたりないでしょう。財布にお金を入れないことは、お金を使わない覚悟なんです」
お金のプロが実践している財布の活用テクニック
さらに、お金を入れる場所や小銭の使い方について聞きました。
●仕事用と個人用でお金を入れる場所を変える
仕事用と個人用は札入れの左右で分類。「仕事でお金を使ったら、仕事用の方から出してレシートもそこに入れます。個人用と紛れず、精算も簡単」。自宅では仕事用のお金は金庫に、個人用はファイルにと、それぞれ分けて管理しているそう。「お札は飛んでいかないよう、肖像画を下向きに入れます」。
●予定に合わせて財布のお金を入れ替える
「お金を入れ替えるのは、毎朝、その日の予定を確認しながら。個人用のお金はファイルに入れて仕事用とは別に管理しています。入れたお金は使いきってよし! としているので、使うときにも罪悪感がありません」。家と事務所の往復だけの日はお金を入れないで、ムダづかいの誘惑をシャットアウトします。
●小銭は繰り越さず「ごほうび貯金」に
少額の買い物は電子マネーを利用して小銭をつくらないようにしていますが、それでも残った小銭は毎朝取り出して貯金。「一気に入れられるようペットボトルを切って貯金箱に。時間があるときに種類ごとに分類できる貯金箱に移します」。貯まったら、夫婦の外食代に。
ムダづかいと財布の型崩れにつながるので、小銭はバッグインバッグの定位置に収納。「じゃらじゃら音がして、忘れずに取り出せます」。
ESSE2018年5月号では、このほかにもいちのせさんが実践している財布活用ワザをご紹介。さらに、年100万円以上貯めている読者の財布の使い方や、風水のプロが教える貯まる財布のつくり方も要チェックです。