自宅で、電車で、ちょっとしたあき時間につい触ってしまうスマートフォンやタブレット端末。「もしかして依存症?」と不安を覚える人もいるのでは。過度なデジタル依存への危機感から、スマホ、パソコン、インターネットなどから一定期間離れる「デジタルデトックス」が世界的に関心を集めています。
テレビや雑誌などで、スマートに暮らすためのアイデアを披露している、整えアドバイザー・阪口ゆうこさんも、とあるきっかけからスマホを「ゆる断ち」しました。詳しいやり方、そして、その結果起こった驚きの効果とは?
時間がないのはスマホ依存のせい?
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毎日なんでこんなに時間がないんだろう? 片づけも家事も仕事も、なにからなにまで中途半端…。それには必ず理由があります。
たとえばそのひとつが、スマートフォン。知らず知らずに長時間触ってるなんてことはないですか? 「いやいや、家事の合い間にしか触っていないから!」という人でも、積もり積もって数時間も触っていたなんてことも。知らぬ間に身についてしまった、家事や仕事の妨げになるスマホ習慣を整理しましょう!
まずは、スマホ依存になっていないか、以下の項目をチェックしてみてください。
(1)1時間ほどの外出でも、自宅にスマホを忘れたら取りに帰る
(2)人としゃべっているときでも、ついつい無意識にスマホ画面を確認する
(3)電波が弱いところには長時間はいたくない
いくつ当てはまっていましたか? これ、じつはすべて少し前までの私です。家事や仕事が思うように進まないのはスマホのせいかな? と思ったときに、スマホの操作時間を計ってくれるアプリ「Moment」をインストールしてみたんです。そうしたらなんと! 連日4時間も触っていることがわかりました。それまでは多く見積もっても、その半分の2時間程度と思っていたので、ショックでショックで…。4時間あったら小説の1本でも読めます。
スマホの代わりに読書と家事!で「ゆる断ち」に成功
この時間でなにができたかと反省し、スマホ断ちを決意しましたが、もともと私は4時間もスマホを触っていた女。いきなり一切触らないのは無理があると思い、まずは1日2時間に減らすことから始めました。ハードルの高さは、自分が越えられる程度にしておくこともポイント。理想が高すぎると、結局守れなくなるので、「ゆるく」始めます。
1日のうち、午前中の2時間はスマホにがっつり触ってOK、それ以外は仕事を除いては触らない、というゆるめのルールを設定。結果的に、がっつり触れるまとまった時間があれば、心は満たされるということもわかりました。
スマホを「ゆる断ち」した最初の数日は、根深い習慣だったため、暇ができるたびに、無意識にスマホを探していましたが(!)、意識的にその衝動を抑え込むため、スマホの代わりに本を読むことにしました。
1週間目はとにかくガマンしているストレスが強くて、読んでいる本の内容が頭に入ってこないほど集中力散漫に。それでも、読むものがないときは「スマホを触りたくなったら家事をする」と決めたところ、14時には洗濯や晩ご飯の仕込みまで完了という日が続き、いかにスマホに時間を取られていたかがよくわかりました。
苦笑いするとともに、「やればできるやん、私」と、自分をほめてあげたい気持ちに。2週間目になると少し慣れてきて、読書にも集中できるようになっていきます。そして、3週間目に突入するとスマホを触らないことが当たり前のようになりました。
デジタルデトックスに必要な期間は個人差が
習慣を変えるのは、目安として3週間は必要! などと、さまざまな文献にあります。私のスマホゆる断ちもまた、3週間でほぼ定着したわけですが、必要な日数は人によって違うのかなと思います。
変えたい習慣が根深くしみついていた場合は、長期戦を覚悟した方がいいかもしれません。いずれにしても、習慣を塗り替えるのはとても根気のいることです。クセという無意識のなかに習慣はあるから。
しかし、悪いと感じる習慣をなくせば、よい波及効果が望めます。私はスマホを触る時間をなくした分、家事が早く終わるようになりました。単に時間ができただけでなく、たまった家事に追われる焦燥感がなくなり、かなりのイライラが減ることに。スマホの時間を午前中だけと決めたことで、メリハリのある暮らしができるようになり、体を動かす時間が増えてダイエットにもつながりました。本をたくさん読む時間が増えて仕事に役立つ知識が増えてきました。こんなふうに、ひとつの習慣に決着がつけられたら、自分に自信がついて、新しくよい習慣を身につけようと前向きな考え方になります。
だれにとっても一日は24時間しかありません。まずはスマホ習慣の見直し、いかがでしょうか?
整えアドバイザー。夫、小学生の長男、長女の4人暮らし。自宅セミナーで収納や時短家事など暮らしをスムーズに回す工夫をレクチャーする。著書に『
家族がいちばん。だからきちんと選べる。きちんと使える。ゆるミニマルのススメ』(日本文芸社刊)がある。ブログ「
HOME by REFRESHERS」では日々の工夫を発信中