収納スペースとして有効活用できる「扉裏」。実際のところ、どんなタイプの扉裏が収納に適しているのでしょうか?

「扉裏は貴重な収納場所のひとつ。工夫次第で動作がスムーズになります。コツは、過剰にものをため込んだり、扉に当たる音が出たりしないように気をつけることです」。そう語るのは、思考と空間の整理のプロ、ライフオーガナイザーの森麻紀さんです。

ご自宅でも扉裏を実践しているそう。どんな場所でどんな風に活用しているのか教えてもらいました。

細々したものこそ、扉裏収納に向いています

扉裏収納のメリットは、雑多なものを表に見せることなく収納できること。収納できるものの重さを考えると、細かいものをしまうのに向いています。
扉を開けばすぐ取り出せるので、管理もしやすいこともポイントです。

●ゲタ箱の扉裏には靴みがきクロスを

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こちらは、夫の靴が収まるゲタ箱の棚。扉裏には靴みがきクロスをかけています。気になったときにサッと取り出してふけるので便利。
以前は縄跳びをかけていましたが、夫が夜遅くに帰宅することも多く、開閉時に縄跳びが扉にあたった音が家じゅうに響いて、目が覚めてしまうことがありました。昼間なら大したことない音も、夜中は意外と気になるもの。かけるものを変えることで、小さなストレスは解消されました。

●出かけるときに必要になるものも玄関へ

こちらは同じゲタ箱の別の扉裏。
ここにはウォールポケットを使い、季節ごとに急に必要になるものを入れています。ポケットティッシュは常時バッグの中に1袋入っていますが、春の花粉の時期や冬の風邪シーズンは、1袋だけでは心配なんて日も…。
それから使い捨てカイロやマスク。毎日は使わないけれど、「今日は寒いな」というときや、今から病院へ行くというときなど、急に必要になるものです。こうしたものを少しだけ常備する場所として重宝しています。

「さあ、でかけるぞ!」と玄関まで来て、なにかたりないことに気づいて取りに戻るのはなかなか面倒。靴を履いてしまっていたらなおさらです。ゲタ箱の扉裏は、必要なときにわざわざ取りに行かずにすむ場所、というわけ。
ちなみに、夏は虫よけリングや虫よけシールをこのウォールポケットの中に入れます。クローゼットを衣替えするように、シーズンごとに入れるものを変えると、使い勝手がぐんとよくなります。

●洗面台下の開き戸の収納力がアップ

洗面台下の開き戸の収納力がアップ

洗面所は化粧品類や洗剤など、いろいろ置きたいのに、収納スペースが意外と少なかったりします。わが家では扉裏専用のボックスを引っかけて、さらにフックを多用して存分に扉裏を活用しています。

●キッチンのシンク上のつり戸棚は軽いものを

シンク上のつり戸棚は軽いものを

目線よりも高い位置なので、手が届きにくいことや落下の危険性があることを考えて、スッキリとした使い方をしています。
左の扉裏には、シリコン製のフタを。右は、マグネットシートを両面テープで貼り、切り抜いたレシピをマグネットでつけています。この扉は頻繁に開け閉めしてよく目に入る場所なので、レシピをはっておくと「つくろう!」という気になります。

同じく、視覚に効果的なのが、子どもの絵や手紙を扉裏にはるテクニック。
部屋の見た目はスッキリさせたいけど、子どもの絵や手紙は、目につくところにはっておきたいものです。システムキッチンの扉裏は、そんな願いを叶えてくれる場所でもあります。

●引き出しの裏も収納に活用

扉裏収納は開き戸だけ、とは限りません。引き出しの裏は盲点ですが、意外と収納に使える場所なんです。

引き出しの裏も収納に活用

私はフックを使ってキッチンツールなどを引っかけて収納スペースを増やしています。キッチンは引っかけるものが多いスペースなので、場所に困ったら扉裏を探してみるといいかもしれません。