家事仕事にゴールはありません。徹底的に行っても、その先には別の理想が現れて、終わりの見えない営みを続けているような気分に…。真面目な人ほど、そんな感覚をもってしまうのではないでしょうか。
主婦として、母として、忙しい日々を送っているスタイリストの大沢早苗さん。完璧な家事を目指すのではなく、ムダを減らして、上手に手を抜くことで、慌ただしい毎日を乗り切ることにしています。ちょっと「手を抜く」からといって、家族の満足度が下がるようなことはもちろんありません。大沢さん流の「ゆる家事」術を教えていただきました。
洗濯物はできる限り手間をかけないように工夫する
●干し方を工夫して、洗濯物のシワ取りに悩まない
洗ったTシャツやタオルは、干す前に濡れたままの状態で簡単にたたみ、しばらくそのままに。「こうしてから干すだけで、大きなシワがなくなりますよ」
●ワイシャツは手でたたいて干せば、のり剤いらず
洗ったワイシャツは、全体を振りさばいてからハンガーに干し、両手でパンパンとたたきます。「表面のシワが取れるので、のり剤なしでもパリッとなります」
●たたんでしまう洗濯物は家族それぞれのカゴへ
「わが家の洗濯物は、4人分だから量もたっぷり。裏返して洗ったら裏のまま干します。乾いたら、そのままたたんで各自のカゴに入れて私の仕事は終了。いちいち表には直しません」。あとは各自が自分の部屋へカゴを持っていきます。裏返しは、着る際に自分で直せばOK
●シャツは干したままの状態でクローゼットへ
シャツ類はハンガーにかけて干し、そのままクローゼットに収納。「洗濯バサミのあとがつかず、折りジワもなし。たたむ手間も省けて、いいことずくめです」
掃除の基本はハタキとホウキとボロ布で!家事の効率化には道具も大事
●大きなホコリは手づくりのハタキで一掃
ハタキはパタパタと振るだけでホコリが取れる優れもの。つくり方も簡単です。細長く切ったハギレを数枚用意し、半分に折って棒をはさみ、上から針金でぐるぐる巻くだけ。「ハギレは、小花柄やストライプなど、好きな柄のものを使います。そうすると、苦手な掃除も、気持ちがはずむから不思議です」
●小さく切ったボロ布はふき掃除に大活躍
古くなったタオルなどは、小さく切ってカゴに日頃からストックしているという大沢さん。「ボロ布はティッシュより厚手で吸収力もバッチリ」。汚れきったらゴミ箱へ
●小さなホウキなら持ち運びもラク
気づいたときにサッと使え、電気代もかからないホウキは掃除の必需品。「階段や玄関はもっぱらホウキで掃除しています。場所によって柄の長さを使い分けています」
アイロンがけはポイントが重要!100均のミトンも便利
●ミトンなら大きくて重いアイロン台も不要
アイロンミトンを使えば、平面のアイロン台ではかけにくい、ジャケットの肩などの立体的な部分がラクに仕上がります。「アイロンミトンは100均ショップで購入。大きくて重いアイロン台を出すのが面倒なときも便利ですよ」
●シャツのアイロンがけは衿・肩・袖口だけでOK
「時間がどうしてもないけれど、シャツにアイロンをかけたいときって、あるものです。そんな場合は、衿・肩・袖口の部分をしっかりかければ、全体にアイロンがけしたような印象になります」
●プリーツスカートは切り替え部分だけでOK
プリーツスカートのアイロンがけも面倒なもの。「全体にかけなくても、切り替え部分だけにアイロンを押し当てれば、ふっくらとした美しいシルエットに仕上がります」
大沢早苗さんの気持ちがラクになる「ゆる家事」3つのルール
『家事は完璧を目指さなくても大丈夫』と気持ちを緩める
100点満点の家事があるなら、私は50点で大満足の楽天家です。家事は家族の協力もあるし、失敗してもなんとかなります。もっといえば育児もしているのだから、それぞれが50点でも合わせれば100点!「私ってスゴイ」とほめてあげてもバチは当たらないくらいの気持ちでいるようにします。
『まっいっか』と前向きにつぶやく
このひと言で、家事へのハードルがぐっと低くなり、完璧主義から抜け出せます。家事には終わりがないので、自分でハードルを低く設定することが大切。この言葉をつぶやくと、部屋がきれいじゃなくても「家族が元気なら、まっいっか」と思えてきます。
『週末にやろう』と平日は割り切る
平日が忙しいときは、スパッと割りきって家事は週末にまとめてやります。そうするだけで気持ちがラクになり、イライラがぐっと減ります。家族にもそう宣言してしまえば、さらに気持ちがラクに。忙しいときほど、自分へのまなざしを優しくしましょう。