夜の寒さが増しています。眠りにつこうとして「しき布団が冷たくて寝つけない」という人はいませんか?また一方で、睡眠中に、冬用のかけ布団が暑くて夜中けとばしてしまうという方もいるのでは?
快眠のためには、寝具やパジャマによる適切な温度調節が重要です。睡眠改善シニアインストラクターの鶴田名緒子さんに、快眠のための寝具やパジャマの選び方や温度調整の方法を教えてもらいました。
なぜ温度と快眠が重要な関係なのか?
快眠のためには、寝具が温かすぎず、冷たすぎずがよいそうです。なぜ温度が快眠と関係しているのでしょうか?
「人は日中の起きているときは交感神経が優位になり、体温は高くなって活動モードになっています。一方、眠っているときには副交感神経が優位になり、身体の深部体温が低くなって休息モードになります。このように、体温と眠りには深い関係があります。
冬の眠れない原因は、寒すぎると交感神経の活動が高まるため。もうひとつは、手足が冷えてしまうと、皮膚からの放熱がうまくいかずに、深部体温が下がりにくくなるためです。お布団の中は10℃以下にならないようにしましょう。10℃以下になると睡眠が妨げられてしまいます」
寒いと妨げられる睡眠。一方で、温めすぎるとよくない場合もあるそう。
「夜の就寝中に寝具内を温めすぎてしまうと、夏の高温環境のようになってしまい、眠りのためには逆効果となってしまいます。ポイントは、寝入りばなの30分だけ温めること。電気毛布などを使う場合はタイマーで自動的に切れるようにします。一晩中つけっぱなしにすると、体温が上がりすぎて眠れなくなったり、脱水症状になりやすくなったりします。
また、夜中トイレに行くときに室温と寝具内の気温差があると、ヒートショック現象が起こり、血圧が急変する心配もあります。
湯たんぽは時間の経過とともに温度が自然に下がっていくので、寝具内を温めるのにはおすすめです」
冬のかけ布団、しき布団、枕、パジャマの快眠対策
冬に快眠するためには、かけ布団、しき布団、枕、パジャマはどのように選び、使用すればいいのでしょうか。それぞれ、寝やすくする対策を教えてもらいました。
●かけ布団
「寒いからといってたくさんかけすぎないようにします。軽くて保温性の高い羽毛布団はおすすめですが、羽毛の素材によって異なります。実際に好みのものを試してみるのがいいでしょう。また、首まわりや肩が冷えないように毛布をかけ、その上にかけ布団を重ねます」
●しき布団
「体が沈み込みすぎない適度な固さのあるもので、十分な寝返りがうてる広さが必要です。寝返りがうてないと寝苦しさにつながることもあります。家族やパートナーと添い寝する場合も、なるべく寝返りができる空間を確保できるようにしましょう」
●枕
「枕が高いと喉が苦しくなったり、肩に負担がかかったりしてしまいます。逆に低いとあごが上がることに。枕選びのポイントは、後頭部から肩にかけて力が抜けてリラックスしていること。また、寝返りは肩と腰が同時に動けるのが理想です。できれば、寝具店などで自分に合った枕を計測してもらって選びましょう。枕カバーは、冬は首まわりが冷えないような素材や肌触りの優しいものを選びます」
●パジャマ
「保温性がよく、静電気の起きにくい素材を選びます。冬は首元から冷えがきますので、襟付きのパジャマはおすすめです。また、寝入りばなは汗をかきやすいので、通気性がよいものを選びましょう。綿素材など、肌に触れてやわらかいものがおすすめです」
快眠できる冬の室温と湿度とは?
鶴田さんによれば、寝具だけでなく、室温や湿度にも配慮が必要だといいます。
「冬のもっとも寝心地のよい環境の室温は16~19℃。上手にエアコンを使って、室温を上げすぎず、下げすぎないようにしましょう。また、湿度も快眠に関係しています。冬でも湿度は50~60%になるよう、加湿器などを用いて乾燥しすぎないようにしましょう」
ぜひこれらの冬の快眠対策を行って、冬でもぐっすり眠れるよううまく調整しましょう。
【取材協力:鶴田名緒子さん】
+Sleep(プラススリープ)代表。睡眠健康指導士上級、睡眠改善シニアインストラクター、早起きコーディネーター。乳幼児や子ども、女性、ビジネスマン、シニア世代まで幅広い世代の睡眠改善のための活動を多数行っている。ブログ:
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