以前と変わらない生活をしていても、太りやすくなったり、疲れやすくなったと悩んでいる人は多いはず。

「それは、代謝低下による老化現象。食べるものによって食べ方や調理法を変えることで、体の老化や中年太りを遅らせることができます」というのは、食事と健康の関係に詳しい医師の済陽高穂先生。詳しく教えてもらいました。

医師が教える!老けない肉の食べ方

良質なタンパク源としてブームになっている「お肉」ですが、やはり40代以降の食べ方には注意が必要。済陽先生はそう警鐘を鳴らします。老けないためのお肉の食べ方を解説していただきます。

●焼き肉よりしゃぶしゃぶを選ぶ

焼き肉よりしゃぶしゃぶを選ぶ
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老化を早め、病気を招く原因となるのが、体をさびつかせる“酸化”と細胞の働きを失わせる“糖化”。食べ物からも引き起こされますが、その程度は調理法によって異なり、油を使った調理、焼き色や焦げ目の強いものほど強くなります。

「こんがりとした炒め物や揚げ物は、老化を急激に進める要因に。焼き肉やステーキより、しゃぶしゃぶ、煮物などがおすすめです」

●骨つき肉の煮物には酢をプラス

酢は、血液をサラサラにして体じゅうの新陳代謝を促すので、細胞の若返りが期待できます。内臓脂肪の減少や、疲労回復にも効果的。

「さらに、肉や魚介類を骨ごと煮るときに酢を加えると、酢酸の働きで骨からカルシウムが溶け出し、通常よりも多く摂取できます」

●ステーキには大根おろしを添える

ステーキには大根おろしを添える

ステーキが香ばしく焼けた部分には、体を糖化=老化させる物質がぎっしり。

「大根は、消化促進酵素に加え、糖化物質を解毒するオキシターゼという酵素が豊富。辛味成分には強力な抗酸化作用があるので、ステーキのほか、焼き魚や天ぷらにも大根おろしを合わせて」

●鶏肉はジャガイモと一緒に食べる

高タンパクなうえ、牛や豚と比べて血液をサラサラにする不飽和脂肪酸が豊富な鶏肉。

「さらに、ジャガイモなどに多く含まれるビタミンCと一緒にとることで、コラーゲンを含むタンパク質の合成が活発になります」。コラーゲンには、皮膚や骨、血管などを強化するほか、免疫力を高める効果も。

●豚肉はタマネギと合わせる

豚肉はタマネギと合わせる

豚肉は、糖質が体内でエネルギーに代わるのを助けるビタミンB1が豊富。

「短時間で体外に排出されてしまう水溶性のビタミンB1は、タマネギの辛味成分の硫化アリルと組み合わせると脂溶性に変化。体内に長くとどまることができるようになり、効果が長く持続します」。タマネギのほか、ニンニクやニラ、ラッキョウなどと合わせても。

●「塩+肉」を食べるときは生野菜をつけ合わせに

塩分(=塩化ナトリウム)を過剰摂取すると、体内のミネラルバランスが崩れ、肥満やさまざまな病気を招くことに。

「とくに、塩分が肉などの動物性脂肪と合わさると血圧が上がり、脳卒中のリスクが高まります。その害を防ぐには、塩化ナトリウムの排出を促しミネラルバランスを整える、カリウム豊富な生野菜をたっぷりとることが重要です」

●脂身の多い肉は、調理前に沸騰した湯にくぐらせる

「良質なタンパク源である肉は、女性にとって必要なビタミンやミネラルも豊富です。しかし、牛や豚などに多い飽和脂肪酸という脂分は、人体に入ると凝固して血液をドロドロにしてしまう危険性が。脂の多い肉は沸騰した湯にくぐらせ、脂抜きをしましょう」

そのほか、フッ素樹脂加工のフライパンで油をひかずに焼き、出てきた脂を除くという方法もあります。