多くの人が頭を悩ませる「実家の片づけ」。捨てたくない世代の親を説得するのは一苦労で、なかなか進まないという人も少なくありません。

ESSEonlineで人気の整理収納アドバイザーのまいさんは、半年ほどかけて、実家の片づけを終えることができたそう。ここでは、そのときのエピソードとともに、可能な限りスムーズに実家を片づけるためのコツを教えてもらいました。

大量の粗大ゴミ
実家の片づけの際にでた、衣装ケースや家具などの粗大ごみ
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きっかけは1つの引き出し。親がその気になった理由

昨年、半年ほどかけて実家の片づけをしました。作業は週に一度3時間くらいずつ。粗大ごみが合計で3万円くらい出て、片づけに行くたびゴミ袋5~6個を処分しました。

終戦前後に生まれ高度経済成長期を過ごし、「ものを大切に」「もったいない」と言われ育った両親。片づけのプロである私でも手強い相手でした。今回、私の経験をもとに、「捨てたくない親と実家を片づけるときのポイント」をご紹介します。

●実家を片づけるために、まずやるべきこと

もし自分の荷物が実家にあるようなら、親に片づけを促す前にまずはそれを引き上げます。離れて暮らしている場合、使わないものを実家に送ることはやめましょう。同居の場合は、自分の部屋をまずは整理してください。

●捨てたくない親と片づけたい娘

現在私は50歳。母76歳、父80歳。両親は、子どもたち(私含め3人)が独立したあとに現在の住まいに引っ越したので、実家といっても「親の家」であって私たちの荷物はまったくありません。二人暮らしなのに、家具やものが多く雑然としていました。

床置きが多くて転びそう。高いところからの落下物が危ない。換気しにくいので空気がこもりやすい。そしてもしも突然、親になにかあったらなにを残し捨てればよいのかわからない…。

整理収納アドバイザーの資格をとってから、いちばん片づけをサポートしたいのは実家でした。でも「いつでも片づけ手伝うよ」と言っても、捨てることや変化することを恐れ、拒否され続けてきました。

●片づけることになったきっかけは「引き出し」

ある日、雑談の流れで、小さな引き出しを1つ整理したことがありました。片づいた引き出しの使い勝手はよく、整理のメリットを実感してくれたようでした。短時間であまり捨てることもなくすませたのもよかったみたいです。

押入れ
最初に片づけた母の趣味コーナー(片づけ前はごちゃごちゃでした)

しばらくして、母から「趣味のコーナーを片づけたいから手伝ってほしい」と言われ、それを機に、キッチン、リビング、父の部屋、庭と片づけを進めました。