家を建築する際の過程のひとつ、上棟(じょうとう)。かつては家の骨組みが完成し、ここまで工事が無事に進んだことへの感謝と、これから完成に向けて、とどこおりなく工事が進むように祈願する意を込めて「上棟式」が行われてきました。しかし、最近は、費用や仕事の関係で、行わないケースも増えています。現在、マイホーム建築中の日刊住まいライターは、仕事で忙しいこともあり、式は行いませんでした。しかし、上棟の様子を見学したことで、家に対する思いがさらに深まりました。上棟式を行わなかった経緯もあわせレポートします。上棟式を行うかどうか迷い中の方も、ぜひ参考にしてください。

上棟後の家
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目次:

建築吉日に上棟!上棟式は行わずに見学のみにいよいよ上棟!たくさんの人の手を借りて作業スタート大工さんのスピードに驚き!1時間ほどで1階部分が見えてきた!15時ごろには屋根まで完成!棟札も無事取りつけられていて感謝

建築吉日に上棟!上棟式は行わずに見学のみに

筆者は現在新居を建設中です。先日地鎮祭を行い、いよいよ次は上棟!ただ今回は上棟式を行わず、上棟の見学のみ行いました。

工務店の担当者からも上棟式に関しての連絡はなく、「上棟の見学にこられませんか?」とのお誘いを受けただけでした。

「上棟式ってしなくてもいいのかな?」と気になった筆者。ネットで調べてみると、上棟式を行わない人が多いという記事や、行った人は2割前後というアンケート結果を発見。絶対にやらなければいけないものではないとわかり、安心しました。いずれにせよ上棟の日が平日だったため、夫婦ともに仕事で、参加は難しかったと思います。

ちなみに、上棟の日は建築吉日という縁起のよい日で、工務店側より設定していただきました。

記入した棟札

上棟前の準備では、地鎮祭のときにいただいた棟札の表裏に記入をしていきます。写真の左が表、右が裏です。

木なのでにじみやすく、記入部分をチョークでよく塗っておくとよいと、神主さんに教えてもらいました。書いてみると本当ににじんできました。思った以上に念入りにチョークで塗るのがポイントです。

こちらの棟札は、地鎮祭の費用に含まれていました。そのため、今回はとくに費用はかかりませんでした。

いよいよ上棟!たくさんの人の手を借りて作業スタート

上棟前の家の様子

上棟の日を迎え、いよいよ作業開始です!

現場につくと、担当の工務店から2人、大工さん6人、クレーン作業の方1人、道路を誘導する警備員さん1人と、想像より多くの人がいて驚きました。大勢の人の手を借りて、これからわが家がつくられていくのだという気合いが入りました。

今回上棟式を行わなかったので、「なにかお礼などすべき?」と気になり調べてみましたが、とくにお礼を包む必要もなさそうでした。その代わり、大工さんの差し入れ用にお茶などのドリンクは用意しておきました。また、用意していた棟札もこのタイミングで大工さんに渡しました。

準備が整ったら、工務店さんのあいさつで作業がスタートです!

大工さんのスピードに驚き!1時間ほどで1階部分が見えてきた!

1階の柱を立てる作業風景

大工さん6人を中心にものすごいスピードで、家が建っていきます!すぐに1階部分の柱が立てられていました。

昔は大工さんの手作業で、寸法を測りながら木を切っていたそうです。でも、今では機械で加工された木材(プレカット)を使うのが一般的で、作業がとても早くなったそうです。

上棟中の家とクレーン車

クレーンで木材を移動させ、大工さんが受け取ります。大きな木材を慎重に運んでいました。

1階の天井部分の作業を行う大工さん

1階の天井部分の作業は、受け取った木材をたたいて、組み合わせていきます。大きな音が鳴り響き、7月の暑さのなか、力強くあっという間に作業をこなしていきます。

上棟中の大工さんの作業風景

大工さんたちの息もピッタリです!

上棟中の大工さんの作業の様子

高い場所が苦手な筆者。高くて足場が狭いなかスタスタと歩いて作業している大工さんの姿に尊敬しかありませんでした。

木材で仮止めする様子

1階部分の天井ができ上がると、パイプで斜めにはめ込んでゆがみを正し、木材で斜めに仮止めしていきます。

上棟中の家の全体像

1時間ほどで1階部分の完成です!ここで、筆者の出社時間となり見学できたのはここまでした。

15時ごろには屋根まで完成!棟札も無事取りつけられていて感謝

上棟した家の様子

17時過ぎに仕事から帰ってくると、なんと屋根まで完成していました!15時くらいには家の骨組みは終わったとのこと。このときはすでに大工さんは2人になっていました。

上棟した家に取りつけた棟札

渡していた棟札も天井部分に取りつけてくださっていました。

1日でここまでできてしまう作業の早さに驚き!上棟を見学すると、たくさんの人の労力や時間をかけて、つくられることがわかり、高額になるのは当然だと思いました。

また、自分のイメージしていた家が、多くの人の手を借りて形になっていく様子には、感動と感謝しかありません。これから家づくりが進んでいくのも楽しみになり、大切な家が、もっと大切になった瞬間でもありました。

ちなみに建設中の現在もちょくちょく顔をだして、大工さんにドリンクやお菓子などを差し入れています。いつもとても喜んでいただけますし、大工さんとのコミュニケーションも取りやすくなりました。

上棟に立ち会ったり、現場に足を運んだりして、関わってくれる方たちに感謝の気持ちを伝えることも大切だと感じました。