せっかく家を建てなら、モデルハウスのようにすっきりと片づけやすい空間を目指したいもの。自宅を設計する段階で、さまざまな「片づけやすい工夫」を取り入れ、まるでモデルハウスのような暮らしができるようになった、と話すのは整理収納アドバイザーFujinao(フジナオ)さん。具体的に、どんな工夫をしたのか、語ってもらいました。

Fujinaoさん宅のリビング
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目次:

「家事が時短できる」「ものが出しっばなしにならない」仕組みを1.玄関は家族用と来客用に分けて使い勝手よく2.テレビの配線は壁の中に隠してすっきり3.リビングテーブルの引き出しをリモコンの定位置に4.プリンターは扉つきの収納スペース内に収納5.キッチン収納はホコリと落下防止のため、すべて扉つきに6.ロボット掃除機の定位置は洗面台下に。水が使えるのでなにかと便利7.扉つきの本棚はホコリがたまりにくく見た目もすっきり

「家事が時短できる」「ものが出しっばなしにならない」仕組みを

ソファで寝る犬とロボット掃除機

自宅をプランニングする際は、「家事が時短できる仕組み」「ものが出しっばなしにならない仕組み」をいつも意識していました。ものの定位置は可能な限り収納の中に、床にものを置かないことが大前提です。

棚や机の上にものがなければサッと掃除できますし、ホコリもたまりにくくなります。また、床にものを置かなければロボット掃除機も効率よく動けます。

筆者がプランニングの段階でこだわった7つのポイントについて、詳しくご紹介します。

1.玄関は家族用と来客用に分けて使い勝手よく

Fujinaoさん宅の玄関

こちらは筆者宅の玄関。右手前は家族が使う空間で、左手は来客用のスペースです。右手前の家族用空間には小さなクロークがあり、コートなどを掛けられるようになっています。

家族用空間のたたき

こちらは家族用空間のたたき。靴が出ていますが、壁で仕切られているため、来客用スペースからは見えません。

2.テレビの配線は壁の中に隠してすっきり

テレビボードをつくりつけたリビングの壁

賃貸住宅で暮らしていたとき、隠すのが大変でずっとストレスだったのがテレビの配線。

金具で壁にテレビを固定

置き型のテレビボードだと、配線を完全に隠すのは難しいため、テレビボードをつくりつけることに。配線は壁の中を通しているのですっきり。

テレビボードの扉をあけたところ

収納内部にはコンセントを多めにつけてもらったので、今後子どもたちのゲーム機器が増えても安心です。

3.リビングテーブルの引き出しをリモコンの定位置に

リビングのテーブル

筆者宅ではリビングのテーブルを造作しました。テーブルには引き出しが2つついていて、リモコンや体温計、塗り薬、爪切り、子どもたちがゲームといっしょに使うストップウォッチなどが入っています。

引き出しをつけたことで、テーブルの上にものが出しっぱなしにならず、いつもすっきりとした状態を保てています。

4.プリンターは扉つきの収納スペース内に収納

ダイニングとミニデスク

リビングとひと続きのダイニングにはミニデスクを設けました。子どもたちが宿題をするのに使うこともありますが、昼間は筆者が仕事をするためのスペース。仕事の際、プリンターをよく使用するのでデスク脇の収納にプリンターを収納しています。

ミニデスク脇の収納

プランニングの段階でここにプリンターを入れることを想定していたので、サイズを指定し、中にコンセントをつけました。iPadなどの電子機器類もここで充電しながら収納しています。

5.キッチン収納はホコリと落下防止のため、すべて扉つきに

Fujinaoさん宅のキッチン

キッチンの収納は、すべて扉つきにしました。オープンな飾り棚はホコリもかぶりますし、地震でものが落ちるのが心配だったからです。

飾り棚があるミニデスク

家の中で、飾り棚があるのはミニデスク上の一か所だけ。スピーカーやアロマディフューザーなどを少しだけ置いています。今後も、これ以上増やさないようにしたいと思っています。

6.ロボット掃除機の定位置は洗面台下に。水が使えるのでなにかと便利

洗面台の下をロボット掃除機の定位置に

以前からロボット掃除機を愛用していたので、プランニングの際に定位置をつくってもらいました。場所は洗面台の下。通路にはみ出さないようにすっぽり収まっているので、邪魔になりません。

水ぶきができるロボット掃除機「ブラーバ」の定位置として使っています。すぐに水の補給や汚れたパッドを手洗いできるので、ここにしてよかったと実感しています。

7.扉つきの本棚はホコリがたまりにくく見た目もすっきり

寝室の大きな本棚

夫婦そろって本が好きなので、寝室に大きな本棚をつくりました。寝室はホコリがたまりやすい場所ですし、どうしても見た目がにぎやかになりがち。設計担当者からはオープン棚を提案されましたが、扉をつける仕様に変更してもらいしました。

中の本やCDにホコリがたまりにくく、多少乱雑に入っていても気にならないので、扉をつけて本当によかったと思っています。

モデルハウスのような、ものが出ていない家を目指して家づくりをしましたが、日頃から「自分の持ちものを把握していること」がプランニングの際に、大いに役立ちました。日頃からこまめに片づけをし、自分にとって必要なものやその量を把握しておくと、後悔のない家づくりができると思います。

●教えてくれた人/Fujinaoさん
整理収納アドバイザー。転勤族の経験から「少ないモノで豊かに暮らす」アイデアと暮らし方を提唱している。個人宅の片づけ実績は300件超。モノの呪縛から解き放たれる魔法のような言葉を載せたインスタが人気を集めている。著書に『片づけの力 私たちは、もっと美しくなれる、部屋も、心も、人生も。』(KADOKAWA刊)がある