暮らしていれば毎日出るゴミ。そのゴミを入れるゴミ箱は見た目に圧迫感があったり、汚れやすかったり、管理が悩ましいものの1つ。
そんなゴミ箱そのものを見直し、ゴミ箱以外のもので代用したことで暮らしが快適になったと話すのは、毎日が楽しくなる収納・インテリア術が人気な片づけのプロ、はらむらようこさん。そのアイデアを具体的に教えてもらいました。
ゴミ箱コーナーで買わない。床上に置くことで快適に
私は以前、ゴミ箱をいつも探していました。おしゃれと思うものがあっても高すぎたり、大きすぎたり、洗えなかったり。ゴミ箱コーナーの前でため息をつく日々でした。
もともと買い物が大好きで、片づけのプロになる前は、かわいいと思ったらだいたい買っておく生活をしていました。片づけを仕事にするようになり、好きなものしかもたないことが自然となったとき、自宅のゴミ箱が、どれも好きでないことに気がつきました。ゴミ箱コーナーから消去法的にやむなく買っていたためです。
●まず、ゴミ箱をなくしてみた
そこで、まずゴミ箱をすべて捨ててみることにしました。ゴミ箱はなくてもいいのではと考えたのです。しかし、ビニール袋に直接ゴミを入れる生活をしてみると、ゴミが丸見えでビニール袋がだらんと下がる状態に、数日で目障りと感じました。
やはり必要だと痛感したものの、ゴミ箱はかさばるため捨てるときに罪悪感が大きく、気に入らないという理由でもう捨てることのないようにしたい、とも強く思いました。
ゴミ箱コーナーから買うことが失敗の理由だと気づき、家にあるもので代用しながら慎重に考えてみることに。
●ゴミの量と種類からゴミ箱を考える
まずキッチンで使ってみたのは、かわいいとヴィレッジヴァンガードで買ったものの、使い道がなく長年放置していた小さな雑貨入れ。樹脂製で洗えるので、これをキッチンのいわゆる三角コーナー的に使用することにしました。調理中に出る野菜のヘタなど生ゴミを入れます。
使ううちに、ここはダイニングテーブルからも近く、食事中に出るゴミを捨てるのにちょうどよいことがわかりました。また、それまでは大きなゴミ箱をテーブルの足元に置いていましたが、さほどゴミが出ていないことにも気づけました。
貝料理など、ゴミがたくさん出るメニュ―のときは、ダイニングテーブル上にこの小さなゴミ箱を移動させ、各自直接捨ててもらうことに変更。三角コーナーをテーブルに置いたら心理的な抵抗がありますが、なんといっても、かわいい入れもの、まったく問題なしです。
この成功体験でおしゃれゴミ箱を探す呪縛から解放され、「どんなゴミが、どれくらい出るのか」、ゴミを見て、適した容量とデザインと機能を持った“入れもの”をゴミが出る場所にあてがう発想が身につきました。
●ゴミ箱は床に置かなくていい
かわいい雑貨品や収納グッズをゴミ箱として使うことで、従来のように床に置くことがかえって妙に感じ、自然と棚の上などに置くようになりました。
たとえば、仕事をするPC周りのゴミ箱は、無印良品のA4の書類ケースで代用し、棚の上に。
パッと見、書類が入っているように見えますよね。
1つが燃えるゴミ、1つが資源ゴミ(紙)を入れています。高い位置に置けば汚い中身が見えないのもポイント。
普通のゴミ箱をデスク横に置い状態と見比べるとその変化は歴然。雑多な感じがなくなり、ゴミ箱にぶつかってゴミが散る悲惨な事件も起きません。掃除もしやすくなりました。
高い位置に小さめの収納ケースを置くことに変更したら、ゴミは捨てやすく、目線の高さになるためゴミ箱の汚れにも気づきやすく、ゴミもためにくくなり、いいことづくめでした。
●ゴミ箱がインテリアの一部に
ゴミ箱を必要な大きさに変更して、捨てやすい場所の棚の上などに置配置替えをした結果、生活感が激減しました。つまり、インテリア的にも作用したのです。
ゴミ箱を床に置いた状態。シンプルな白のゴミ箱でも存在感があります。
ゴミ箱がないだけで、すっきり。
ちなみに、白いゴミ箱は今は目に入ってもそんなにじゃまではない、洗面所で使用しています。これよりも少し小さいサイズのものは、キッチンの収納の中に入れて活用。可燃ゴミの日には、5つの小さなゴミ箱の中身をササっとゴミ袋に入れて捨てられています。
●片づけ上手の第一歩は、ものの使い方、買い方の見直しから
すっきりと暮らすためには不用なものを捨てることも必要ではありますが、買うときも重要。自分が好きで使いやすいものはなにか、しっかりと考え把握してから買うだけでも、暮らしが変化します。まずは家にあるもので代用してみることもおすすめです。
実家で床に円筒形のゴミ箱が各部屋に置かれていたとしても、それを引き継ぐ必要もありません。慣習や常識に惑わされず、自分が好きなものを家に入れるようにすれば、空間は変わっていきます。
買う側が本当に必要なものを把握することが、結果余分なゴミを減らすことにつながり、その一歩が、気分よく快適な暮らしへとつながっていくはずです。ぜひいろいろと試してみてくださいね。