1階にリビング、2階に子ども室を配置したとしましょう。その際、子ども室への通り道となる階段を、リビングに配置すれば、帰宅した子どもと家族が顔を合わせる機会が増えます。5パターンの実例をもとに、一級建築士の入部亜佐子さんがそれぞれの特徴を解説します。間取りやインテリアのプランニングの参考に。
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1.開放感抜群のスケルトン階段2.手すり壁を立ち上げたリビング階段3.階段の手すりをアイアンにして抜け感を演出4.ベンチにも使える!リビングにはみ出した階段5.スキップフロアをとり入れて楽しい空間を1.開放感抜群のスケルトン階段
階段の踏み板を宙に浮かせたようなこちらの階段。上下とも空間を開放しているスケルトン階段です。リビングへの圧迫感を和らげて、空間を広く見せるのが最大のメリット。かっこよさも抜群です。
リビング空間に飛び出した踏み板で頭を打ったりしないように、下に観葉植物などを置くのもおすすめです。
踏み板と踏み板の間が抜けていて、手すりの隙間が大きいので、お子さんが小さい場合はネットを張るなどして対応したほうがいいでしょう。
2.手すり壁を立ち上げたリビング階段
テレビの背面に設けた階段です。大画面テレビになることも想定して壁面を広くとっています。
階段そのものはリビングからは見えませんが、2階部分は吹き抜けともつながり開放的。
広めにとった壁面には、スピーカーを設置したりオブジェを飾ったり、インテリアを楽しむ場所になっています。壁掛けテレビにしたので、階段下のスペースを利用してDVDデッキをしまえるテレビボードも、大部分を壁に埋め込んですっきりとさせました。
3.階段の手すりをアイアンにして抜け感を演出
階段のレイアウトは先の実例と同じですが、踏み板より上の部分をアイアンの手すりにして抜け感を出しています。
吹き抜け上部に向かって開放感が増し、ダイナミックな空間になりました。
4.ベンチにも使える!リビングにはみ出した階段
リビングの中に一部がはみだした階段は、テレビを見るときや友達が集まってゲームをするときなど、ちょっとしたベンチがわりにもなって便利です。
はみ出した部分にアイアンの手すりを施すとおしゃれ感もアップします。
5.スキップフロアをとり入れて楽しい空間を
スキップフロアをとり入れ、階段の途中からリビングを見下ろせるこちらのお宅。中2階のスキップフロアの下は、天井の低いこぢんまりとした和室になっています。
中2階は、リビングとほどよくつながりながら、ちょっとこもれるスペースに。
こちらもスキップフロアのあるお宅ですが、下部分は子どもたちのおもちゃスペースに。
その上のスキップフロア部分は絵本コーナーに。遊び心いっぱいの階段回りで、子どもたちも大喜びです。
階段はプランづくりにも大きく影響するので、早めの段階で、自分のイメージする階段はどんなデザインなのか考えておくことをおすすめします。