キッチンで調理、ダイニングで食事、リビングでテレビを見る…。そんな固定的なLDKの使い方はもったいない!もし、これから家づくりするなら、それぞれの場所がもっと柔軟に使えて楽しめるようにプランニングしませんか。今回はとくに、ダイニングに注目。食べるだけでなく、くつろいだり、もてなしたり、勉強の場にしたりと様々な使い道ができるダイニングについて考えてみました。ダイニング空間のもつ可能性について語ってくれたのは、建築家・大島健二さんです。
目次:
テーブルや椅子の大きさ、高さを変えてダイニングをリラックス空間にレイアウトを変えれば、家事ラクなコミュニケーション空間にちゃぶ台スタイルは、昔ながらの多機能スペース新しい生活様式を取り入れた昆虫テーブルもテーブルや椅子の大きさ、高さを変えてダイニングをリラックス空間に
すべての画像を見る(全6枚)狭い空間を無理やりLDKにするより、ダイニングをリビングの機能も持つ空間にすれば、そこにゆとりとくつろぎが生まれます。
ダイニングが食後の居場所にもなるように、テーブルを大きくしてみてはどうでしょう。
くつろぎの場所がリビングからダイニングに。また、テーブルが広いと子どもの勉強スペースとしても使えますね。
また、テーブルや椅子の高さを低くして、ローテーブル、ローチェア仕様のダイニングに。
ダイニングの椅子で、そのままリビングのようにくつろぐというスタイルもおすすめです。
※ローテーブルh=60cm ローチェア座面h=40cm 程度
レイアウトを変えれば、家事ラクなコミュニケーション空間に
家族の生活時間の変化に対応したダイニングのつくり方です。
食べる時間がみんな違う、みんな忙しい…。そんな家族には配膳の手間を省くため、食べる場所をテーブルでなくキッチンのカウンターにしてみては? これなら家事にかかる手間も、かなり減らせるはずです。
ダイニングの延長にテラスを設け、くつろぎの場(アウトドアリビング)にしてはいかがでしょう。
ダイニングをテラス側にレイアウト、テラスにもテーブルをセッティングすることで、内と外との境界線が曖昧になり、視界的にもつながり、広がりを感じられます。
これなら友人を招いてのパーティなどでも、ゆったりとおもてなしできそう。
ちゃぶ台スタイルは、昔ながらの多機能スペース
ちゃぶ台スタイルとは、ダイニングテーブルを置かず床座のローテーブル(ちゃぶ台)で食事をし、くつろぐというスタイルです。以前の日本人の多くは、茶の間で食事し、くつろぎ、就寝するという暮らしをしていました。
ひとつの空間を多目的に使うという、合理的なスタイルです。
新しい生活様式を取り入れた昆虫テーブルも
感染症予防対策として、新しい生活様式が推奨されています。
テーブルをカウンターのようにして家族一列に並んでごはんを食べる…というのはなんともくつろぎに欠けますね。
そこで「昆虫の羽根」のような形をした可動テーブルをデザインしてみました。組み合わせ方次第で「向き合わないカタチ」「向き合うカタチ」などその時々の状況に応じて変えられるテーブルです。
家族そろってテレビを見る、ということも少なくなった昨今ですが、食事中くらいはテーブルの向きで、一緒に同じ番組を見るのもいいのではないでしょうか。
監修・イラスト/大島健二(OCM一級建築士事務所)