自転車は、都市部での暮らしに欠かせない移動手段。一戸建ての場合、自転車置き場の確保はマストといえます。ですが、その位置や広さ、どんな設備を取り入れるかを決めるのはなかなか難しいもの。この春新居が完成した収納王子コジマジックさんも、自転車置き場をどうするかでかなり頭を悩ませたそうです。都内にあるコジマジックさんのお宅は敷地面積約26坪に建つ3階建て。典型的な都市型住宅といえます。どんな自転車置き場をつくったのか、詳しくお話を聞きました。

自転車置き場に立つコジマジックさん
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4人分の自転車置き場は必須。設計の段階でスペースをしっかり確保サイクルラックをうまく使って4人分の自転車置き場を確保外構の水栓はボウルを省略。玄関の段差を利用した収納庫も秀逸隣家との境は決まった高さ、場所からの目隠しに適した横格子に

4人分の自転車置き場は必須。設計の段階でスペースをしっかり確保

コジマジック邸の自転車置き場

「うちは妻と子ども2人の4人家族。妻は毎日自転車に乗りますし、子どもたちもこれから乗り回す年齢。だから4人分の自転車置き場は必須でした」(コジマジックさん、以下同)。

自転車置き場は、どうしても建物よりあと回しになりがち。家を建てた知人から、自転車置き場をきちんと確保していなかったので停める場所がなくて困っている、という失敗談を何度か耳にしていたそうです。

「以前住んでいた借家では、自転車は停められるものの屋根がなくて雨ざらしになるため、いちいちカバーをかけていました。忙しい時はそれを取ったりかけたりが手間で、妻にも大きなストレスだと言われました。そんな苦い経験があるので、新居では設計の段階で自転車置き場のスペースをしっかり確保し、屋根をつけたいと思っていました」

完成したコジマジック邸の自転車置き場は、道路からスッと出入りできるオープンな空間で、玄関も目の前。屋根付きで、雨の日も安心です。

サイクルラックをうまく使って4人分の自転車置き場を確保

サイクルポートの設置が終了した段階

写真はサイクルポートの設置が終了した段階。

サイクルポートは直線を生かした形状が気に入ったというLIXILのものを採用。通常は2本脚で使い、悪天候の場合などは着脱式で4本脚に変えられる仕様です。天井部分にセンサーライトをつけて、安全性もアップしました。

ステンレス製のガッチリしたサイクルラックを設置

自転車1台につき約60㎝の間隔が必要なので、このサイクルポートの幅だと3台しか置けません。そこで採用したのがサイクルラック(キーパー)。駅やスーパーの駐輪場などでも使われているアレです。

「高さの違う2種類のラックを互い違いに設置することで、ハンドルやカゴの干渉が軽減され、うまく4台停められるように。このラックだと自転車のスタンドを掛けなくていいのも嬉しいポイント。特にアシスト付き自転車は持ち上げるだけで結構力がいるし、毎日のことなので、なるべくストレスも軽減されるよう配慮しました。それと、タイヤが前方に飛び出さないので、建物の汚れ防止にも役立っています」

埋め込み式のポールを触るコジマジックさん

隣り合うガレージとの間には、自転車の転倒防止のために埋め込み式のポールを設置。台風の際の備えにもなります。簡単に上げ下げできるうえ、上げっぱなしでも圧迫感がありません。

外構の水栓はボウルを省略。玄関の段差を利用した収納庫も秀逸

外構の水栓とグレーチング

ガレージのコーナーには水場を設けてあり、気軽に洗車などもできるようになっています。水栓の下には、水受けのボウルではなく、グレーチング(鋼材を格子状に組んだ溝蓋)に直接流すスタイルに。

「そのほうがスッキリしてボウルの掃除が省けるし、スペースも広く使えます」。ホースは玄関の段差を利用した収納庫に入れておき、必要時に取り出して使っています。

玄関の段差を利用した収納庫を指差すコジマジックさん

ここがその収納庫です。「段差の分だけ高さがあり、幅もある大容量。ガレージ回りの雑多な道具はココにすべて収まります。あと新築・リフォーム時に必要となる予備の壁紙やタイルなどの保管場所としても重宝しています」。さすが収納王子、未利用空間をしっかりと有効活用しています。

隣家との境は決まった高さ、場所からの目隠しに適した横格子に

フェンスを指差すコジマジックさん

外構を考える際、フェンス選びも重要です。

「横格子は決まった高さ、場所からの目隠しに適しているそうです。一方、縦格子は常に動いている歩行者やクルマからの目隠しに適しているとか。だからお隣や裏のお宅との境には横格子を選びました」

LIXILの木目調化粧材を使った横格子のフェンス

木材のように見えますが、耐久性・対候性に優れ、メンテナンスなしでも長く美しさを保てる木目調化粧材です。

2箇所のフェンスを指差すコジマジックさん

建物の2階から3階にかけて張られた縦格子のフェンスも同じ素材です。「手の届かない高い位置なので、長くメンテナンス不要なのは安心」。

外壁のサイディングを指差すコジマジックさん

また、外壁のサイディングの接合部にシーリングがないのも注目すべきポイント。

「お手入れが楽という理由で選ぶ人が多いサイディングは、10年に1回程度シーリングの交換をしなければならないのが面倒だなと思っていました。でもいろいろと調べた結果、ニチハさんの『フュージェ』というシリーズは『四方合いじゃくり』という仕様により接合部のシーリングがないんです。少しお値段は張りますが、長い目で見たらおトクだなと判断して、30年保証対応のものを採用することにしました」

自転車置き場やフェンス、サイディングなど外まわりにもしっかりと気を配った結果、安全でストレスのない暮らしを手に入れることができたようです。