家好き芸人・アンガールズ田中卓志さんが、個性豊かな建築家の自邸を突撃取材!田中さんは広島大学工学部第四類建築学部卒業。大学では建築の構造を研究し、得意分野は日本建築だそう。今回訪問したお宅には、なんと玄関先に可愛い焼き菓子のお店が。こちらは、設計事務所「Buttondesign(ボタンデザイン)」を共同主宰する村上譲さんの自宅です。

ボタンデザイン・村上譲さんの自邸LDK
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目次:

次女の卵アレルギーをきっかけオーガニックのお菓子を販売するようにストレスなく暮らせる半地下のLDKキッチン上部にロフトを設置。こもり感が最高イギリス製の大きなスピーカーが鎮座する広いホール間取図と配置図

次女の卵アレルギーをきっかけオーガニックのお菓子を販売するように

妻が営む小さな焼き菓子のお店

静かな住宅地の旗竿地に建つ村上譲さんの家。長いアプローチは小さな庭のようになっていて、可愛い2人の子どもたちが出迎えてくれました。アプローチを進んだ先にある玄関には、妻が営む小さな焼き菓子のお店があります。

次女が卵アレルギーだったことがきっかけで、乳製品や小麦粉などを使用しないオーガニックのお菓子を販売するようになったそうです。「玄関先にお店があるんですね。アレルギーのある子どもさんにはうれしいですね」(田中さん)。

【この住まいのデータ】

▼家族構成
30代夫婦+子ども2人

▼住宅の面積
99.20㎡(1階45.89㎡、2階53.31㎡)

ストレスなく暮らせる半地下のLDK

半地下のオープンなLDK

室内に入ると、一段下がったところにオープンなLDKが広がっています。旗竿地は建物に囲まれているイメージがありますが、南側隣地が広い駐車場だったので、視線を避けるためにLDKを半地下にしました。

「なるほど!生活空間の床レベルを下げることで、ストレスなく暮らせるようにしたんですね」と、感心する田中さん。「家の中に低いところと高いところがあると、変化も生まれます」(村上さん)店舗とも程よい距離感を保っています。

コンクリートと木、漆喰の組み合わせが個性的な雰囲気を演出

コンクリートと木、漆喰の組み合わせが個性的な雰囲気を演出。調理器具の「吊るす収納」もおしゃれ。キッチンの天板には独特の色と質感が特徴の左官材・モールテックスを使っています。

間口4.2mのキッチンとパントリー

半地下にしたLDKは、天井高3.4mの大空間。北側壁面には料理上手な妻のために間口4.2mのキッチンとパントリーが造り付けられ、将来は料理教室などにも使えるフレキシブルなスペースになっています。

イチゴを食べながらくつろぐ田中さんと女の子たち

「座ると、さらに天井が高く感じらるれな〜」と、イチゴを食べながらくつろぐ田中さん。造作のソファは、 つなげてもバラバラにしても使えるので、レイアウトも自由自在。

キッチン上部にロフトを設置。こもり感が最高

キッチン上部のロフトでくつろぐ田中さん

高い天井を生かしてキッチン上部にロフトを設置。「天井が近いから、こもっているような感じ。こういう場所、好きです。ここで本でも読みたいな」と田中さん。

ハシゴで不健康なことを実感させられる田中さん

「書斎にしようと思っていますが、子どもたちが使ってもいいかなと思っています」(村上さん)と、様々な使い方が可能な場所です。 「このハシゴ、スマートでおしゃれなんだけど、足の裏がめちゃくちゃ痛い!不健康なことを実感させられます(笑)」と田中さん。

イギリス製の大きなスピーカーが鎮座する広いホール

大きなスピーカーが鎮座する広いホールで会話をする村上さんと田中さん

軽やかなスチール製の階段を上った2階には、大きなスピーカーが鎮座する広いホールが。圧倒的な存在感を放つイギリス製のスピーカーは、村上さんが生まれた頃にジャズ好きの父が購入したものだそう。

「相当いい音が出るんでしょうね。そして、 相当高そうだな(笑)」と、クラシックなスピーカーの大きさに驚く田中さん。「解体することになった実家から引き取ったのですが、父にやってもらわないと配線ができないので、まだ聴いていないんです(笑)」と村上さん。

階段でくつろぐ田中さん

2階も屋根なりの高い天井が印象的。後ろの階段上部にはトップライトが設けられています。

階段ホールでくつろぐ田中さんと女の子たち

デスクが造り付けられた東側の個室は、村上さんが在宅で仕事をする際の ワークスペースで、夜は布団を敷いて家族4人の寝室に。2室に仕切ることができ、将来は子ども室として使うことも可能です。

西側の個室は、現在は納戸と両親が遊びに来たときの寝室として使用。「初めから使い方を限定せず、ライフスタイルに合わせて変えていけるのがいいですね」(田中さん)。

1階の天井は2階の床を兼ねていてる

「この家は構造も仕上げもシンプル。1階の天井は2階の床を兼ねていて、38㎜の厚板を使っているそう。構造と仕上げの両方を兼ねているんですね。ふと見上げると木の天井が目に入るので、落ち着きます」(田中さん)。

間取図と配置図

村上さん宅の間取り図と配置図

【取材協力】
取材協力/Buttondesign(ボタンデザイン、村上譲さんと菊田康平さんにより 2014年に設立。建築設計、インテリアデザイン、家具のデザインなどを手掛ける)
撮影/山田耕司 ヘアメイク/石川真理
※情報は「住まいの設計2020年6月号」取材時のものです