神奈川県横浜市内で物件とリノベーション費用合わせて、1000万円程度で実現できたという「団地リノベ」。住まい手の大好きな古家具がゆるく仕切ってく空間は46㎡とは思えないのびやかさ。団地のもつ独特なレトロ感も心地よい住まいです。

団地特有のレトロ感を活かした団地リノベーション事例
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目次:

団地のレトロ感を生かした、古家具の似合うLDK壁や扉を多く設けず、広がりある空間に洗面とトイレの間の壁を取り払い、レトロ感漂うオープンな空間に間取り(リノベーション前後)

団地のレトロ感を生かした、古家具の似合うLDK

昭和レトロ感を残したキッチン

こちらは注文住宅からリノベーションまで幅広く手掛ける住宅会社・ピーズサプライの代表である小牧徹さんの住まい。

小牧さんがリノベーションで最も大切にしたのは、団地が本来持っている「昭和レトロ感」を上手に残すことでした。すべてを新しくするのではなく、「これはかわいい」と思った箇所は極力そのままに。好きな古家具で空間を緩やかに仕切り、気分によってレイアウトを変えられる余白も残しました。

キッチンは吊り戸棚を撤去し、設備は状態がよかったのでそのまま使用。面材の取っ手だけ付け替えをしました。コクがあってレトロな空間に馴染んでいるタイルは、平田タイルの「カカオブリック」です。

LDKのオープン収納

LDKにはオープンなチェストを置き、お気に入りの器や雑貨をディスプレイ収納。随所に飾られたドライフラワーやグリーンがで、空間がより心地よく演出されています。

壁や扉を多く設けず、広がりある空間に

壁や間仕切りのない寝室

リビングに隣接している寝室は、以前は和室だった場所。壁や間仕切りは設けずに、家具でゆるく仕切っています。

書斎スペースを設けた寝室

寝室の一角にはローテーブルを置いて、ちょっとした書斎スペースも設けました。「風がよく通って気持ちがいい場所」(徹さん)と、壁がないことで風通しは良好です。

ウォークインクロゼットで収納量を確保

玄関横にあった和室はウォークインクロゼットにして収納量をたっぷり確保。小牧邸唯一の個室です。ハンガーパイプを取り付けて、洋服とほとんどの荷物を収納しています。扉ではなくカーテンにしたことで、使いやすさとコストダウンにつながりました。

下駄箱でゾーニングしたウォークインクロゼット

ウォークインクロゼットは下駄箱で緩やかにゾーニングしています。天井に設置した物干しのおかげで、ちょい掛けや部屋干しなどがとても便利に。

【この住まいのデータ】

▼家族構成
夫妻

▼リノベーションをした理由
団地が好きで「富士山が見える団地、マンション」で検索して物件を見つけた。窓から富士山がきれいに見えたことと、エレベーターなしの最上階だったため物件価格が400万円とリーズナブルだったことが決め手となり即決。

▼専有面積
46.13㎡(ワンルーム)

▼建物の築年数
52年(昭和43年築)

洗面とトイレの間の壁を取り払い、レトロ感漂うオープンな空間に

レトロ感のある正方形のタイルと実験用シンクを組み合わせた洗面

窓があって明るい洗面室には、レトロ感のある正方形のタイルと実験用シンクを組み合わせました。

壁を撤去したツーインワンのトイレ

以前の洗面室はとても狭かったので、トイレの壁を思い切って撤去。細切れだった空間をつなげてゆとりをプラスしました。配管の都合で一段下がっているトイレの床はタイル敷きに。

在来工法で作り直した浴室

在来工法だったバスルームは、ユニットバスと交換するのが早くて安いものの、そのレトロな雰囲気をどうしても残したくて、同じ在来工法でつくり直しました。「防水をきちんとやらなければならないので、ここは少し予算をかけてこだわりました」と妻。

団地の中の公園

緑に囲まれ、バルコニーからは富士山を眺め、団地のもつ独特な空気感を楽しみながら暮らしている小牧さん。
「リノベ込みで1000万円程度で家を持てるから、2軒購入して二世帯近居という選択肢も大いにある。団地は可能性の宝庫ですよ」と話してくれました。

間取り(リノベーション前後)

リノベーション前の間取図

リノベーション前

リノベーション後の間取図

リノベーション後

設計・施工/ピーズサプライ
撮影/山田耕司
※情報は「リライフプラスvol.33」取材時のものです

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