長年手をかけてきたバイクが眺められるリビング、大音量で聴けるオーディオルーム、3000枚以上のCDを収める壁面収納等々…。Kさんは趣味のバイクとオーディオを満喫できるような家を建てたいと思い立ちました。Kさんのオーディオ好き、バイク好きは40年以上も前から続いているもの。長年温めてきた想いを形にした住まいを今回はご紹介します。

1階のバイクガレージ
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目次:

愛車のバイクをリビングから眺めたい!防音も万全! オーディオルームで過ごす至福のひととき肩湯、ジェットバス、ボディシャワー、テレビもある浴室

愛車のバイクをリビングから眺めたい!

白い壁に切り妻屋根の家

白い壁に切り妻屋根、すっきりとした印象の家がKさんの住まいです。
「バイクもオーディオも10代から趣味として楽しんできましたが、実家で仕事と母親の看病をしていた頃は、趣味どころではありませんでした。しかし母が他界してから、家業の倉庫として使っていたこの敷地に住まいを建てることを思い立ったんです」(Kさん)。

設計はテレビ番組を見てその作風が気に入った佐久間徹設計事務所の佐久間徹さんに依頼しました。
そして約22坪の敷地に建てたられた家は、1階はバイクガレージ、LDK、洗面浴室、2階は寝室とワークコーナーというシンプルなつくりに。

大きな土間に2台のバイク

西側の引き戸を開けると、大きな土間に2台のバイクが収まっています。
メーカーはどちらもカワサキ。10代の頃から乗り続けてきた愛着のある1台と、大人になって入手した憧れの1台です。半世紀近く前のバイクですが、完璧な整備で今もピカピカの現役選手だそうです。

リビングからバイクガレージにある愛車を眺める

盗難防止という切実な意味も込めて、保管は当然室内に。愛車をいつも眺めていたいという希望から、バイクガレージはリビングと空間を共有する形になりました。「夕食後にバイクを眺めながら飲むお酒の味は格別ですよ」とKさんは満足そう。

防音も万全! オーディオルームで過ごす至福のひととき

オーディオルームにある壁一面のCDコレクション

そしてもうひとつの趣味であるオーディオはといえば…。
ガレージ脇の階段を上がると目に飛び込んでくるのが、壁一面のCDコレクション。3000枚以上をこの壁面に収納しているそうです。この棚の裏が寝室兼オーディオルーム。ここは夜でも音楽を楽しめるように、壁厚20㎝+二重サッシの防音仕様になっています。

超弩級のオーディオセットが置かれた寝室

寝室に置かれているのは超弩級のオーディオセット。JBLのオリンパス(スピーカー)をはじめ、名品のみを揃えた圧巻のラインナップです。ハイスペックなシステムですので、ある程度の音量で鳴らさないと真価が発揮できないそうです。そのため天井や壁も音響の状態を最大限に考慮して設計されました。

イームズのラウンジチェアで鑑賞中

Kさんのベストリスニングポジションはイームズのラウンジチェア。
そこで注目したいのが室内のインテリア。落ち着きある色調にまとめられていますが、基調となっているウォールナット色はオーディオ機器の色調に合わせたもの。これが住まい全体にバランスよくまとめられているのです。

マイルス・デイビスの写真

そして、ベッド横にはマイルス・デイビスの写真が。日本に2枚しかない貴重なものなのだそう。

肩湯、ジェットバス、ボディシャワー、テレビもある浴室

モノトーンの落ち着いた色の浴室

Kさんがもうひとつこだわったのが浴室。「料理はほとんどしないので、キッチンにはこだわりませんでした。風呂好きなので浴室はモノトーンの落ち着いた色にして、のんびり浸かれることを第一に考えました」。

選んだのはLIXILのスパージュというシステムバスルーム。肩湯、ジェットバス、ボディシャワーがフル装備。テレビも取り付けて、まさに至れり尽くせり。くつろぎのバスタイムが楽しめます。

階段脇の洗面トイレ

階段脇の洗面トイレも、白と黒を基調にしたスタイリッシュなイメージで。階段の下のデッドスペースには、洗濯機がうまく収まるよう設計されています。

2階の書斎

「仕事は2階の書斎でしているので、食事と風呂以外、ほとんどの時間を好きな音楽を聴いて過ごしてます」とKさん。

愛車をメンテナンス

思い描いたとおりの趣味との暮らしがこうして実現したKさん。これから先、ますますこの趣味が充実していきそうです。

設計/佐久間徹設計事務所
撮影/川辺明伸
取材/平野高治
※情報は「住まいの設計2020年4月号」取材時のものです。