家をすっきり整えたいと思っていても、毎日忙しく家事や仕事、育児をしていると、なかなか追いつかないのが実情です。平日は目の前の家事に追われ、土日はたまった片づけをしてどっと疲れる…という人も少なくないかもしれません。

一方ドイツの家庭は、家をきれいに整えることの優先順位が高く、合理的なアプローチがされているといいます。日本人の父とドイツ人の母のもとに生まれた料理研究家の門倉タニアさんに、掃除や料理、洗濯などドイツ式家事のヒントを伺いました。

門倉タニアさん
すべての画像を見る(全4枚)

門倉タニアさん

ローテーションを決めて効率よく!ドイツ式合理的家事のコツ

「ドイツでは、身の回りが整理されていれば、ものごとがスムーズにいくと考えられています。なので、ものの持ち方から掃除の仕方、料理に至るまで、シンプルで合理的なんです」

たとえば、食器は結婚するときに一式そろえたら、ほとんど買い替えず、壊れたときに欠けたものを買いたす程度だそう。

「余計なものを持たなければ、掃除や片づけもしやすいんです。水回りの汚れはためると大変なので、キッチンは使いながらふき掃除。月曜から土曜まで、洗濯の日、アイロンがけの日、掃除機がけの日など、ローテーションを決めて1週間で効率よく家事を回すのも、昔からドイツの主婦がよくやっている方法です」

すべての家事を毎日完璧に済ませようとせず、曜日を決めて「それしかやらない」というのは確かに合理的です。
今回はすぐにマネできそうなドイツ式家事を、具体的に教えてもらいました。

●浴室の水気はスクイージーと吸水ふきんでふき取る

浴室の水気はスクイージーと吸水ふきんでふき取る

ドイツでは子どもの頃から、水回りを使ったらすぐ水気をふくようしつけられるそう。「浴室を使用後はスクイージーで水気をきり、吸水ふきんでさっとひとふき。水アカがこびりつく前にふき取ってしまえば、手間なくいつでもピカピカな状態を保てます」。

●赤ワインは塩、フルーツの汁はレモン汁で落とす

赤ワインは塩、フルーツの汁はレモン汁で落とす

ブラウスなどにうっかり赤ワインをこぼしてしまったら、すぐに塩をもみ込んで汚れを塩に吸着させます。同じように衣服にはねてしまったフルーツの汁には、レモン汁を。「出先でもこうしてすぐにケアしておけば、あとで洗濯したときにシミになりにくいんです」。

●皮脂汚れや漂白には、酢を使う

ドイツでは、洗濯機で湯温を設定でき、汚れや素材に合わせた温度の湯で洗濯できます。「皮脂汚れのついた衣類は、抗菌・漂白作用のある酢を加え、約40℃の湯で皮脂を溶かして洗います」。また洗濯物を白くしたいときにも、漂白作用のある酢が活躍。洗濯するときに酢を少量加えたり、洗濯後に酢水につけたりしています。

●土曜のランチは具だくさんスープで冷蔵庫整理

土曜のランチは具だくさんスープで冷蔵庫整理

ドイツの土曜日は、食材をまとめ買いしたり、壊れた家具を直したり、家のなかの仕事で忙しい日。「子ども時代を過ごしたドイツのおじいちゃんの家では、土曜日のランチは、在庫整理も兼ねて、冷蔵庫の残り物を使った具だくさんスープと決まっていました」。週に1度「残り物デー」をつくっておけば、食材の循環もスムーズになります。