もともと家を買うつもりで貯金をしていたIさん夫妻。家探し中に祖父が亡くなり、祖父が所有していた品川区の店舗兼住宅をIさん一家が改装して住むことに。築年数は当時14年。何社かリノベーション会社を回ったなかで、「内装は自分たちでやりたい」という想いをいちばん理解してくれたのがリノべる。でした。延床面積約124㎡の空間をリノベーションし、入居後に住みながらDIYを行うことで、自分たちらしい空間を実現させました。
すべての画像を見る(全11枚)出来上がった家に合わせてDIYで仕上げを
夫はおもにオーダーメイドの椅子などを手掛ける家具職人で、DIYもお手のもの。自分たちでDIYをしたいという要望を伝えたうえで、1階の天井は躯体現しにして、床には無垢のフローリング材を張り、あとから自分たちで手を加えることができるように余白を残してもらいました。
キッチンの腰壁は「家具を入れてみてからどうするか考えたい」と、リノベーションの段階では板を張るだけに。白い壁の面積が思ったよりも大きかったので、DIYで黒板塗料を塗装することで空間を引き締めました。ダイニングテーブルも夫がDIYでつくりました。
キッチンは既存を活用し、コンロとレンジフード、水栓だけを入れ替えています。入居後、扉に木を張ってイケアの取っ手をつけたことで、印象がガラリと変わったのだそう。
キッチン横の勝手口があるスペースには、パントリーを設けました。
庭代わりの大きな土間
店舗部分を活用して、玄関には大きな土間を設けました。土間とLDKの間には段差はありますがほぼワンルームのような空間。リビングのフローリングと土間のモルタルの段差を、縁側のような感覚で楽しんでいます。
また、以前の家では2階にクローゼットがあって行き来が大変だったという経験から、妻は1階に大容量のウォークインクロゼットがほしいと希望。玄関横に設けたことで、動線が短く便利になりました。
ウォークインクロゼットの壁には杉板を張り、自分たちで塗装。オープンタイプのシューズラックも夫が古材を使ってDIYで作ったものです。
ウォークインクロゼットの中には有孔ボードを張って、引っかける収納にしました。子どもたちが普段よく使うカバンは、手が届きやすいよう低めの場所を定位置に。
窓に囲まれている土間の一角には、妻が丹精込めて育てている観葉植物が飾られています。土間では子どもたちがプール遊びや縄跳びをしたり、夫がDIYをしたりと、幅広い用途で楽しんでいるそうです。
2階には個室をコンパクトに配置
2階には個室が3つ。「狭い空間にどうしても3部屋欲しいと無理を言ったけれど、うまくプランニングしてもらいました」と夫。廊下に置いてある棚も夫がDIYで作りました。
子ども部屋はこぢんまりとしていますが、夫が自作したベッドのおかげで空間を広く使うことができます。
階段下を活用したサニタリー
トイレは壁の一面にだけ木の板を張って、ナチュラルな雰囲気に。
家のどこかに取り入れたかったというメキシカンタイルを洗面台にDIYで貼りました。タイルの大きさがそれぞれ異なり、端からきっちり測って貼るとかえってズレが出るため、あえてラフに仕上げたとのことですが、さすがの出来栄え。
古材で枠を作った大きな鏡も夫自慢の作品です。また、階段下のスペースをうまく活用して洗濯機置き場を作りました。
住みながらリノベーションするスタイルで、少しずつ自分たちの理想の住まいに近づけていったIさん夫妻。「いつか自分のつくったソファを土間に置いてくつろぐのが夢」と夫は語ってくれました。
設計・施工 リノべる。
撮影/松井進
※情報は「リライフプラスvol.30」取材時のものです。