「用途地域」は行政による都市計画により定められています。街づくりのための具体的な指標ともいえます。自分が家を建てようと思っている土地に、建物の高さや種類などが決められていたり、住宅が建てられない地域があったりするのをご存知ですか?

目次:

1.なぜ用途地域は必要なの?2.用途地域は13種類ある3.まとめ

1.なぜ用途地域は必要なの?

病院
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家を建てるために土地探しをするときは、「日当たりがいいところ」「学校や病院、スーパーが近いところ」など、なるべく環境や立地がいいところを探すでしょう。

将来的に自分の家の周りに大きい建物が建って著しく環境が悪化しないようなところを選びたいものです。

1-1 「用途地域」は将来を予測するのに有効な判断材料

住宅地

gandhi / PIXTA(ピクスタ)

将来的な環境がどうなるかを予測する手がかりとなるのは「用途地域」です。住宅を建てられる大半のエリアが「市街化区域」の中にあります。

市街化区域とは、街づくりの観点上、建物をどんどん増やそうとするエリアです。そこには必ず用途地域が定められています。

1-2 どのように将来を予測するの?

都心

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「工業エリア」「商業エリア」「住宅エリア」などに分類され、さらに細分化されています。それぞれに建ててよい建物、建ててはいけない建物があります。

第一種低層住居専用地域には、何百坪もある大きな工場やタワーマンションは建てられませんので、大きな建物が建って日陰になる可能性は少なくなりますし、商業地域にあるマンションなら、現在は隣に何も建っていなくても、敷地のぎりぎりに高層マンションが建つ可能性があることが分かります。

2.用途地域は13種類ある

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用途地域は13種類あります。住宅を建てる場合に選ぶ用途地域は、住居系がメインとなりますが、ほかの用途地域でも住宅が建てられるケースがあります。

2-1 用途地域の種類

用途地域の種類をまとめたものを表に示します。

【住居系】

【商業系】

【工業系】

2-2 「容積率」「建ぺい率」を調べることでさらに家づくりが具体的に

用途地域のほかにも住宅を建てる際に大切になるのが「容積率」「建ぺい率」です。

「建ぺい率」は、敷地面積に対する建築面積の割合のことで、「容積率」は、敷地に対して、どれだけの延床面積の建物が建てられるかを示すものです。

隣の建物がどの位近くに建てられるのか、何階までの建物が建つ可能性があるのか、より具体的な予測ができます。

3.まとめ

空き地

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家を建てるために土地選びをする際は、「用途地域」を調べることで、ある程度の環境変化によるリスクが予想できます。

周辺に広い空き地があったときは「用途地域」を調べ、「建ぺい率」「容積率」、周辺住民からのヒアリングを行うことでさらに具体性が増します。