自らの収納ノウハウを詰め込んだ“収納御殿”を建てたい!という収納王子コジマジックさん。前回に引き続き、人気リノベーション会社・フィールドガレージ代表の原直樹さんの住まいへお邪魔し、理想の住まいを実現するためのヒントを探ってきました。
建築家の物件選び
すべての画像を見る(全13枚)原さんファミリーは、21歳の長男、18 歳の長女、妻の4人家族。
コンパクトマンション、古くて広い借家など様々な家での暮らしを経て、2015 年に東京・世田谷区内の中古マンションを購入。
なんと解体から自分たちで行い、大工さん+家族4人で2.5か月かけてほぼDIYで自邸を完成させたそう!
小島 まずはこの物件を選んだポイントを教えてもらえますか?
原 職場から自転車で30分圏内の物件を探していたのですが、多摩川が近くて環境がよいところが気に入りました。晴れた日には富士山が見えるのも自慢です。築20年(当時)で、広さは64・67平米。物件価格は3200万円。このあたりとしては手頃だと思います。
小島 中古マンション選びで気をつけるべき点を教えてください。
原 ひとつには、天井が高い物件がおすすめです。
既存の天井をはがすとさらに開放感が得られますし、空間を立体的に使うことができます。
小島 築年数はどのくらいがいいのでしょうか?。
原 20年くらい経つと設備も内装もそろそろ傷みが目立ってきますから、リノベもやりがいがあってちょうどいいですね。築10年くらいだと、価格もあまり安くなりませんから。
リビング中央には赤いタイルをあしらった可愛らしい手作りのテーブルが。
ダイニングチェアは教会の椅子をリユースしています。
リノベ経験=家族の思い出
小島 自分たちでリノベーションをしようと思ったきっかけは?
原 仕事柄、一度はやってみたかったのと、家族でやればいい思い出になると思ったからです。
リノベの工事費は1000万円くらいだったので、普通にプロにお願いしたのと変わらないのですが、家族みんなでこの経験ができて、本当によかったです。
実際に洗面カウンターのタイル貼りは現在一人暮らしされている息子さんが担当。
洗面室の壁にはスライスした足場板を採用。梁にも足場板を張ることで壁と一体化させ、存在感を抑えています。
レトロなデザインの水栓もリノベーションならでは。
「森がテーマ」というトイレは、ウイリアム・モリスの壁紙が印象的。
既存のキャビネット上部のディスプレイも楽しい!
小島 子どもは絶対忘れないですよね。僕も4歳と2歳の子どもがいるので憧れるな~、でも、DIY大変そうだな~。
原 大変ですけど、できれば生きる勇気になるじゃないですか。
それに、一度経験すれば、自分の好みや使い勝手に合わせていつでも変えられる。
実際に娘は、自分で勝手に壁と天井を塗り替えました(笑)。
家族一丸となってのDIYは決して容易ではなさそうですが、思い出を残せること、そして作る過程を知っている分、自分の好みにアップデートできてしまうところは大きなメリット。
決め込みすぎない家づくりを
住まいのリビングは、和室をなくしてDKとつなげ、開放的な空間を実現。
押し入れだった場所はなんとソファスペースに。ユニークな外見とこもり感が最高です!
「ソファを置くとリビングが狭くなってしまうので、押し入れを有効活用しました。狭いところに工夫して住むのが得意なんです(笑)」と原さん。
ソファの下は収納に。天井からバーを吊り下げ洗濯物干しに、そして時にはトレーニング用に(笑)!
リビングに散りばめられた+αな機能がとにかく楽しい!
小島 僕は"収納御殿"を建てたいという壮大な夢を持っているのですが(笑)、原さんのご自宅を拝見するとリノベやDIYも面白そうだし、新築でゼロからつくり上げて理想に近づけるほうがいいのか…いろいろ迷ってしまいます。
原 あまり先のことまで考えると窮屈になるので、決め込まずに自分たちのライフスタイルに合わせて対応していけばいいんじゃないでしょうか。
僕たちも、子どもたちが独立して夫婦2人になったら、また別のところに住むかもしれない。
愛着はあるけど、執着はしないので(笑)。
小島 「家は一生の買い物」といった固定観念に縛られずに、もっとフラットに考えたほうがいいんですね。
原 そして、自分がやりたい方向性をしっかり持つことは大事ですね。
そうすれば、その人の個性が反映された住まいになりますから。
原さんは”人生もリノベーションです”とアドバイス。この先も住まいをカッコ良くDIYしている姿が目に浮かんできます。
家に執着はしないけれど、住むならば本気で楽しみ、愛情を掛けてあげる。
原さんの家づくりに対するスタンスは、”家の購入は一生の一度の大きな買い物”と構えてしまう私たちの気持ちをリラックスさせてくれます。
※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は「リライフプラスvol.29」取材時のものです。
収納王子コジマジック【一般社団法人日本収納検定協会 代表理事 小島弘章】片づけ・収納・住まいに関する確かな知識と実績を持つプロフェッショナルでありながら、松竹芸能で25 年の芸歴を積んだ男性ライフスタイル系タレントのパイオニア。整理収納に” 笑い”を取り入れたセミナーが話題となり、年間講演依頼数は200 本以上、著書・監修本は累計40万部を超える。“収育”を理念として掲げた一般社団法人日本収納検定協会を設立し、お片づけを楽しむ検定「収検(収納検定)」をスタートさせる。そのほか収納グッズ開発やマンションの収納監修など、日本や中国を中心に幅広く活躍。
原 直樹さん[フィールドガレージ代表]21歳の長男、18 歳の長女、妻の4人家族。コンパクトマンション、古くて広い借家など様々な家での暮らしを経て、2015 年に東京・世田谷区内の中古マンションを購入。解体から自分たちで行い、大工さん+家族4人で2.5か月かけてほぼDIYで自邸を完成させた。フィールドガレージはリノベーション・新築だけでなく、不
動産仲介、オーダー家具の製造・販売、インテリア商品のオンライン販売まで幅広く展開する。
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※情報は「リライフプラスvol.29」取材時のものです