3月15日発売の「住まいの設計2019年4月号」では、家好き芸人、アンガールズ・田中さんが建築家の自邸を突撃取材する4回目の連載が掲載されています。アンガールズ・田中さんは広島大学工学部第四類建築学部卒業。大学では建築の構造を研究し、得意分野は日本建築だそうです。今回は、四方を建物に囲まれた旗竿敷地で快適に暮らす、浜崎一伸さんのお宅を取材しました。
2つの中庭にはさまれ借景の緑も楽しめる開放感あふれる空間
周囲を住宅に囲まれた旗竿敷地にRC造の平屋を建てた浜崎一伸さん。
「最初にここに来たとき、『本当に囲まれているな』と思いました。真ん中だけポツンと残った状態で、どう建てても周りは迷惑だろうな、と。それで平屋にしました」と語ってくれました。
「旗」の部分に配された平屋には、2つの中庭が。
すべての画像を見る(全9枚)1つは屋上への階段がある中庭で、もう1つには大きなシマトネリコが植えられています。
その2つにはさまれるようにあるのが、リビングダイニング。
「中庭から光が入るので、室内は明るくて気持ちがいいですね」と田中さん。
ダイニングの横長の窓からは、隣の庭の緑を借景として取り込んでいます。
「あっちの緑も、光が差して影がカッコいい!」と、田中さんはリビング側のコンクリート壁に設けられた窓を指していました。
いろいろな楽しみ方できる!高低差のある屋上
次は、中庭の階段を上って屋上へ。
「気軽に屋上に行けるのって、大事なポイントだと思います」と、上りながら語る田中さん。
部屋ごとに異なる天井高を反映して高低差が生まれたルーフテラスは、芝生スペースに菜園、ウッドデッキの物干し場と、変化に富んでいます。
「寝室のロフトからも屋上に出られるので、子どもが小さい頃はよく友達と鬼ごっこをしていました。階段を下りて、またロフトから出てきて。今は、ロフトの窓からそれぞれ部屋に乾いた洗濯物を投げ入れています(笑)」と浜崎さん。
浜崎さん自身も、芝刈りや菜園の水やりなどで、頻繁に屋上に上がるそう。
「いろんなところから気軽に屋上に行けるのもいいし、ご近所との関係性もちょうどいい感じですね」(田中さん)。
こちらは、中庭を見下ろす田中さん。
中庭の両サイドのサッシはフルオープンになっていて、室内に光と風を行き渡らせています。各部屋から眺められるシンボルツリーのシマトネリコは、ルーフテラスの上にも大きく枝を伸ばして成長中!
階段のある中庭で仕切られた仕事スペース
階段のある中庭の南側は、浜崎さんの仕事場。
玄関脇の仕事場も中庭によって明るい空間になっています。中庭で分けつつ、居住空間との回遊性も確保。
ゲートの道路側のフェンスには半透明のガラスを採用
田中さんが立っているガラスフェンスの手前は“ミニ生産緑地”の予定地で、実現したらガラスのフィルムをはがして緑を見せる予定だそう。
「この半透明のガラスも、圧迫感がなくていいと思います。」と田中さん。
家を見終わった田中さんは「庭や中庭、屋上も広々していて、大変魅力的だった」と満足気でした。
もっと詳しく見たい方は、「住まいの設計2019年4月号」をご覧ください!
【取材協力】
株式会社And Associates
東京都中央区日本橋茅場町2-13-8 FLAT4
http://www.and-associates.jp
代表の浜崎一伸さんは、1969年香川県生まれ。'93年東京大学工学部建築学科卒業、'95年同大学大学院修士課程修了。竹中工務店、谷口建築設計研究所(出向)などを経て、2010年よりAnd Associatesを主宰。
撮影/水谷綾子